「尾藤さんのコーチングではどんどん本音が出てくるのに、
僕たちの面談ではそうでないのは、やっぱり質問の仕方が下手なんですかね?」
苦笑いしながら、何度もこんな風に質問いただく社長さん。
私にとってはある意味、最高の賛辞であり、心から嬉しいのですが、
できれば私でなくとも、社内で本音をさらけ出せるようになれば
言うことはありません。
しかし、おそらく私に心の内を明かしてくれるのは、
多くの場合、質問のテクニックではなく別の所にあると思っています。
コーチでありながら、質問が飛び切り上手とは自分でも思っていないですし、
時に、クライアントさんの上司の方よりもキツーイ言葉を発することだってあります。
にもかかわらず、多くの方たちが本音を語ってくれる。
それは多分、私がずっとずっとできなくて、全然できなくて、
しかし今ではそのことができるようになって、自然にできるようになって、
私自身の強みになっていると自負できる、そのコトによるところが大きいと思っています。
クライアントさん本人よりも誰よりも、クライアントさんの可能性を信じる
コレができるようになって、私のコーチングの時間は
飛躍的にクライアントさんとの密度が濃くなりました。
可能性を信じていても、それ自体が目に見えるわけではないし、
いちいち言葉で発するわけでもありません。
しかしその気持ちは対面でもオンラインでも、
確かにクライアントさんに届くようで、
ですから話が厳しい内容になっても必ず落ち着くところに落ち着くし、
何より、涙しながら心の内をさらけ出して、前へ進む新たな力を手に入れる方が
本当に多いのです。
本人よりも誰よりも相手の可能性を信じる
コーチであれば、それは当たり前の事なのですが、
なかなか難しいのも事実です。
今、私はコレが自信を持って「できている」ということができるようになりました。
だからでしょうか。
「にくったらしい!」 と以前なら眉間に皺を寄せていた生意気さんであっても、
「どうしてこの人はこうなのよ!」と唖然としてしまうような言動を繰り返すブラックさんであっても、
本人が「成長したい!」と願うのであれば、その可能性が輝いて、
その人自身も愛おしく見えてくるのですから不思議なものですね。