「聴く」ことはとても奥が深いです。
「聴く」ことを生業としている私も、
完璧に聴けているか?
と問われたら、「YES!!!」と言えることは
まだ1度もないかもしれません。
私がイメージする「完璧に聴けている」とは、
いわば、瞑想や座禅を組んでいる時の「無」の状態です。
雑念が一切なく、100%相手の話している事だけに意識が集中し、
そこに魂が乗っかっている状態。
「あ、こんな事言っている」とか
「可哀想だな」とか
「その話、前も聞いたよ」とか
「そこんところ、もっと聞いてみたいな」とか
聴きながら自分の考え(雑念)がウロチョロせず、
ただもうひたすらに、相手の言葉が頭と心を占めている
そんな状態です。
「聴くモード」に切り替えができていない時は、
相手の話の途中で自分の考えに寄り道してしまったり、
それが行き過ぎて、ぷっつりと相手の言ったことが全く耳に入っておらず、
「??? 何言ってた?」となることがあります。
そんな時は、わかったふりをせず、正直に聞き返します。
「さっきのところ(〇〇以降のところ)もう1回言ってもらっていいですか。」
聞き返すことは全くの失礼ではありません。
それは、一生懸命に聴こうとしている姿勢に他ありません。
聴いてないのに聴いたふりをして話を進める方が失礼です。
だから、私は躊躇なく聞き返します。
「もう1回、お願いします」と。
聴く達人になると、「もう1回お願いします」などと
言わなくても良いのでしょうが、
私もまだそのレベルとは言い難いので、
目下、筋トレに励んでいます。
筋トレとは、脳の筋トレです。
聴いていて自分の考えに寄り道しそうになった時、
「あ、それたな」と気づいたら、
その考えはそっと脇に置いて、
本道(相手の話し)に気持ちを向ける。
聴いていて話を遮ってしまったり、自分の言葉をかぶせてしまった時、
「あ、やってしまったな」と気づいたら
「遮ってごめん。さっきのところ、続きを教えて」
と「相手を聴く」に自分のモードを戻す。
筋トレとはいわば、この繰り返し。
いきなりマッチョにならないのと同じで、
いきなり聴く達人にはなりません。
日々の筋トレ、脳筋トレの積み重ねこそが達人への一番の近道です。
毎日コツコツ
日々コツコツ
コツコツ 勝コツ
コツコツ 筋トレ
それこそが聴く達人になる唯一無二の方法だと思います。