マネジメント・リーダーシップ

仔犬のしつけから学ぶマネジメント~心にゆとりはありますか?

ワン友のガウディくんのママが憔悴しきった様子で夕方のドッグランにやってきました。ガウちゃんが腎臓の手術で生死の境をさまよい、何とか一命をとりとめたものの退院の目途はたたず、膵臓も悪くなっているというお話でした。ガウちゃんママは、こんなに酷くなるまで気がつかなかった自分をひどく責めていました。

その話を聞きながら、先代犬のマリオが膵炎で病院へ駆け込んだ時、動物病院の先生に言われたことを思い出しました。

「どんなに気をつけていても気がつかない時もあるし、分からない時もあります。飼い主さんがご自身の事や他の事にいっぱいいっぱいで心に余裕がないと、ワンちゃんがサインを出していても気がつかないものです。毎日お忙しいと思いますが、いつも100%で生活するのではなく、常にマリオ君のサインに気がつくことのできる心のゆとりを持っていてくださいね。」

幸いこの時は、マリオのサインに気がつくことができたので大事には至りませんでした。ただ、別の時、私自身が物理的にも精神的にもいっぱいいっぱいだった時、マリオのサインを見逃しかけた時もありました。気をつけているつもりでも見れていなかったし感じられなかったのです。

 

これは職場においても全く同じです。

マネージャーはとにかく忙しい。上司からの様々なリクエスト。メンバーへの対応。

上司との関係性も良く、チームの成績が順調に推移し雰囲気も良好であれば、マネージャーに心の余裕も生まれることでしょう。

ところが、上司との関係性が悪く、いつもイライラしている。チームの成績が思わしくなく、その対策も上手くいかずに心がそのことでいつもいっぱいである。プライベートで心配事があり、仕事に集中することができない。常に心が何かでいっぱいいっぱいだったら、他の事が入ってくる隙間がありません。そうすると、本来であれば気がつくはずのメンバーのちょっとした異変、お客様の微妙な変化、チームの雰囲気など、その「違和感」に気がつくことが難しくなります。

ですからマネージャーは常に心に何パーセントかのゆとりを持つことがとても大切だと思います。過去に私がチームやメンバーの「問題」に気がついたのは、最初はいずれも何らかの「違和感」を感じたからであり、それを感じることができたのは、私自身の心にゆとりがあったからだと思います。逆に、チームの成績が低迷し精神的に追い込まれていた時は、メンバーの不調にギリギリまで気がつくことができませんでした。

 

心のゆとりは物理的忙しさと精神的忙しさの両方が影響しますし、オフィシャルだけでなくプライベートも影響します。常に自らを整え、心に数パーセントのゆとりを持って日々を過ごすことができるよう努めなければいけません。

マネージャの三かん王の最初の「寛」がとても大切なんだ・・・

ガウディくんの一日も早い回復を願いながら、私自身の中の「寛」をもっと大きくしたいと願うのでした。

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