人気ドラマ「過保護のカホコ」を見ていると、過保護な母親役の黒木瞳さんに対して、その母親役の三田佳子さんが言っていました。
「そろそろ信じて子離れしたら。愛するよりも信じる方が難しいのよ。」
この言葉にはバキュンと胸を打たれた思いがしました。
これは親子関係に留まらず、マネージャーとメンバーにも全く言える言葉です。
メンバーが失敗しないようにあれやこれやとついつい口出ししてしまう過保護なマネージャー。メンバーの事を大切に思えばこそ、クレームになったら可哀想。大きな失敗をしないようにと、一から十まで指示命令。気がつかずに過保護なカホコならぬ、過保護なメンバーを自ら作ってしまっているのです。
以前の私が全くそうでした。過保護なカホコを創ってしまう黒木瞳さん(あくまでも役ですよ)を見ていると、以前の過保護なメンバーを量産していた私を見ているようで、頭痛がしてくるほどでした。
かつて私も言われたことがあります。「多少怪我をしたっていいじゃない。信じて任せてあげれば。」
でも、私は「信じて任せる」が本当に難しかった。「信じる」ことが難しかったのだと思います。
どうして難しかったのか。
今冷静に考えてみると次のような理由が考えられます。(黒木さんのお陰で客観的に分析できます)
① 大切に育てることを失敗させてはいけないと勘違いしている
② 鼻っからできない(無理)だと決めてかかっている
③ 失敗して後で尻拭いしなければいけないのなら私が手助けしてちゃんとできたほうが良いと潜在意識で思っている
④ かまってあげることで自分の存在意義を見出している
愛するよりも信じる方が難しい。本当にその通りです。
信じて温かく見守る。これほど難しいことはないのかもしれません。
信じるとは自分自身の度量の大きさを試されることでもあると思います。
メンバーを信じることが難しかったかつての私は、ちっぽけな度量しか持ち合わせていなかったのかもしれません。
そう言えば・・・
20代半ばの頃、ちょっとしたトラブルがあり、会社の多くの人たちから私のミスだと指摘されたことがありました。「大きな誤解で私は決して言われたような行動をしていない」と言ったのですが、周囲には信じてもらえませんでした。そんな中、先輩がたった一人言ってくれたのです。
「君がやっていないと言うならやっていないのだろう。僕は君を信じるよ。ただ、このままの状況は良くないので、問題を解決できるように前を向かなきゃね。」
「君を信じる」この言葉に号泣してしまったことを覚えています。
先輩のその言葉に背中を押されて問題を解決したばかりでなく、周囲からの大きな信頼を逆に勝ち得ることができました。
もしかしたら、愛することよりも信じることの方が、場合によっては人を大きく成長させるのかもしれません。
あなたはメンバーを愛していますか?
あなたはメンバーを信じていますか?