マネジメント・リーダーシップ戦略人事

引き算の戦略とは。成果を出すリーダーの思考法

成果を出そうとするほど、人は「やること」を増やします。
施策を足し、会議を増やし、指示を重ねる。
多くの組織で起きている停滞の正体は、能力不足ではなく「過多」です。
現場が動かないのは、努力が足りないからではなく、優先順位が整理されていないからです。

戦略論の第一人者である マイケル・ポーター は、戦略とは「何をやらないかを選択すること」だと述べています。
これは理論ではなく、経営の現実そのものです。
限られた資源で成果を出すには、選択と同時に排除が不可欠だからです。
言い換えれば、経営とは可能性を広げる仕事ではなく、集中先を決める仕事です。

私が経営者や管理職とのセッションで必ず投げかける問いがあります。
「何をやめますか?」

多くの方が最初に考えるのは「すること」です。
しかし「やめること」を尋ねた瞬間、思考の深さが変わります。
驚きの表情のあと、「本当はやめたいこと」が次々と言語化されていく。
これは思考が表層の施策検討から、本質的な意思決定領域に入ったサインです。

足し算型のマネジメントは、一見すると熱心に見えます。
ですが実際には、現場の判断負荷を増やし、意思決定速度を落とし、組織の推進力を鈍らせます。
リーダーの役割は指示を増やすことではありません。
判断基準を減らすことです。
選択肢を削るほど、組織は速く、強く動き出します。

私自身も最近、意図していくつかを手放しました。
たとえば、安易な入口になり得る仕組み。夜の習慣。周囲に合わせるための振る舞い。
共通している判断基準は一つです。
本質に集中できるかどうか。
それに寄与しないものは、成果を遠ざける要因になり得るからです。

削る決断をすると、時間・思考・感情に余白が生まれます。
この余白こそが、意思決定の質を高め、リーダーシップの精度を上げます。
結果として、組織はシンプルに前進し始めます。

もし今、目標に対して手応えを感じられていないなら、問い直してみてください。
「足りないものは何か」ではなく、「不要なものは何か」と。

成果を分けるのは能力差ではありません。
削れるかどうかの差です。

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