人間は感情の生き物なので、「好き」「嫌い」の感情があるのはごく普通のことです。管理職であれ、経営者であれ、他者に対して好き嫌いの感情があるのを否定するものではありません。しかし、それをビジネスに持ち込むとしたら話は別です。
嫌いだから頭を下げたくない。困っていても助けたいと思わない。力を借りるまでもなく自力で何とかなるので協力を仰ぐつもりはない。
あなたはそれで良くても、ネガティブな感情を他者に持つ上司を持ったメンバーはたまったものではありません。上司の気がつかないところでやり辛さや負担増を感じていることもあれば、場合によっては業務の滞りが生じているかもしれません。
管理職は持てるリソースを最大限活用してして、最高の結果を出すのがその役割です。にもかかわらず、好き嫌いの感情にとらわれてリソースの有効活用が不十分となり、その結果、結果がベストではない、メンバーに不便を感じさせているとしたら、管理職失格と言っても良いでしょう。
そのような場合、多くの管理職は自分の感情にコントロールされて、自分が部下に迷惑をかけている、周囲は呆れた目で自分を見ていることに気づいていません。自分の正当性を主張することはあっても、自身の愚かな言動や判断を客観的に振り返る冷静さを欠いてしまっているからです。
仕事に好き嫌いの感情を持ち込んではいけません。相手を好きになる必要はありませんが、最高の成果を出すために最善の関係性を築く努力はしなければなりません。それでも感情に引きずられて適切な言動を取ることができないなら、潔く管理職を降りなければなりません。そうでなければ、あなたの部下と周囲は不幸でしかありません。
