上司は褒めているつもりでも、「褒めてもらったことがない」「また注意された」
と部下は思ってしまうことがよくあります。これは、上司の「褒め方」に原因があります。
1.最初に一言褒めた後、延々と説明や他の話をしている。
「今日は君を褒めようと思っているんだ。〇〇がスゴイと思ってね。」と言った後、延々と事象の説明や、話が他へ飛んでしまうパターンです。聞いている部下にとっては、いったい何の話をされているのかわからなくなります。
最初に「褒めてあげよう」と言われても、実際の話しの内容は「いつもは△△だけど今回は〇〇だったね」「いやね、君がこんなだとは驚いたよ。いつもは〇〇の事が多いじゃないか。」など、話の焦点が褒めるポイントからズレれはズレるほど、
部下は褒められていると感じなくなってしまいます。
2.褒めた後の、注意点やもっとこうした方がという話の方が多い。
「あれは良かったよ」「すごい結果が出せたな。おめでとう。」など、上司なりの褒め言葉を言った後、「もう少し○○を△△していれば、もっと上を狙えたかもしれないね」「今度は更に高みを目指して〇〇に挑戦したらどうだ」などと言ってしまうことです。
せっかく褒めていても、これでは「まだ足りない」「もっと頑張れ」とお尻を叩かれた印象しか残りません。
3.表現が曖昧で、褒めている事が全く伝わらない。
「今回はよく頑張ったな」と言われると、「今回は・・・」に引きずられる部下もいるかもしれません。「やったな!」「すごいぞ!」など、上司なりにシンプルに言葉をかけても、「ナイスピッチング!」「Good job!」「よし!」などのペップトークと同様に受け取り、単なる声掛けのワンフレーズと受け止めているかもしれません。
長々と説明を付け加える褒め方は推奨しませんが、表現が曖昧だったり、シンプル過ぎる言葉では、部下からすれば、褒められた気がしないもの頷けます。
「褒められた!」と絶対に部下が感じる3つのポイント
褒め方にもコツがあります。
1.具体的事象(結果、行動、態度、あり方など)をシンプルに伝える。
「営業成績1番、よく頑張ったな!」
「毎日欠かさず行動し続けたことはスゴイことだ!」
「どんなに忙しくても後輩の相談に嫌な顔一つせず乗っているのは大したもんだ!」
2.上司の側の気持ちを明確に伝える。
「嬉しかったよ」「助かったよ」「自分も勉強になった」「励まされたよ」等
3.感謝の気持ちを伝える。
上司から「ありがとう」と感謝されて嫌な部下はいない。
部下を褒める時、この3つ以外は必要ありません。シンプルにコレだけを伝えて終わる。それが最も効果的です。なぜなら、一連の流れで話をした時、人間の脳は、最後に聞いた話の印象が強く残り、最初に聞いた話の記憶は薄れてしまうからです。ですから、褒めるなら褒める。それだけで話は終わらせ、注意点やモアベターの話をしたいなら、別の機会にそこに話を絞って行いましょう。
一生懸命に部下を褒めている「つもり」でも、その気持ちが全く部下に伝わらないのは残念なものです。3つのコツに留意して、部下の目を見て穏やかに話をしてみてください。必ず部下は「褒めてもらった!」「ありがとうございます!」と更なる努力・飛躍を心に抱いてくれるに違いありません。