マネジメント・リーダーシップ

効果を最大化する『前段の仕掛け』:参加者の心理的準備の重要性

研修やワークショップを企画・実施する際、
私はプログラムの内容を作り込むのと同じくらいに、
「参加者がいかに前向きな状態で当日を迎えるか」
すなわち、事前の仕掛けにエネルギーを注ぐ。

どんなに素晴らしいプログラムを用意しても、
受身や否定的であるなど、参加者の気持ちが整っていなければ、
必要なコトを受け取ってもらえない、受け取りが半減されてしまうからだ。

お腹を空かせて食事のテーブルに着くのと、満腹状態とでは、
同じ料理を食べても満足度は全く異なる。

それと同じだ。
自分が「ほしい」「必要だ」「もっと知りたい」「学びたい」と空腹状態になっていれば、
例えそれが塩むすびであったとしても、お腹と心を満たす豊かな時間になるだろう。
しかし、「めんどうくさい」「時間の無駄」「何の意味があるの」と満腹もしくは拒食状態であれば、
どんなに美味しいお料理を目の前に並べたところで、
それは単に、苦痛な時間でしかないかもしれない。

つまり、届ける側が一方的に「押し付ける」のではなく
受け取る側が「ほしい」「必要」と感じる状態を予め作り、
研修当日には、その状態で臨んでもらうようにするのが、
成否を分けるということだ。

しかし、この「仕掛け」を考えるのは、
プログラムの中身を考えるよりも難しいかもしれない。

参加者のニーズを推察する力、
媚びずに心理的な障壁を取り除く力、
参加者の防御反応を受け止め温かな支援に変える力、
など、様々な力と、それらを用いてアレンジするスキルが必要となる。

これは、研修やワークショップに限ったことではない。
会議や勉強会など、あらゆる場面において、
事前の仕掛けがどれくらいうまくいっているかで、本番スタートの勝敗が大きく影響を受ける。

馬を水飲み場に連れていくことはできても、
無理に水を飲ませることはできない。

「水を飲みたい」と思ってもらうために、どうするか。
それが、本当に大切なことなのだと私は思う。

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