組織開発誰だって変わることができる

チームが生まれ変わる!「どん底部署」を救った管理職の変革術

毎日、チームのこと、メンバーのことで頭を抱えていませんか?
一生懸命やっているのに、なぜか空回りしてしまう…
そんな閉塞感を、あなたも感じているかもしれません。

あの管理職さえ育ってくれれば、もっと組織は良くなるのに。
そう感じている経営者の皆さんもいるのではないでしょうか。
現場を任せた管理職が壁にぶつかっている時、どのようにサポートすれば良いのか、悩ましいですよね。

実は数年前に、私はあるマネージャーの劇的な変化についてブログを書きました。
まさに「どん底」だったチームを、どのようにして「会社No.1」に変えたのか。
その変革の裏側には、チーム運営で悩む管理職、そして彼らを支える経営者の方々にとって、
重要なヒントが隠されています。

「あの部署に異動だなんて、可哀想」と言われたチームの奇跡

今から4年ほど前に遡ります。
「あの部署に異動だなんて、可哀想」と社内で囁かれていた
低迷部門のAマネージャーのコーチングが始まりました。

Aさんが着任した時には既に、チームは坂道を転げ落ちるように悪くなる一方で、
業績は悪く、トラブルは多発し、メンタル不調者は続出。
隣同士でもメールでやり取りするような、本当に残念な見本のようなチームでした。

そんなチームが、コロナ禍においても浮上をはじめ、
連敗続きだった業績も黒字に転換しました。
Aさんだけでなく、メンバーも皆、イキイキと笑顔で輝き、
「会社No.1チーム」を合言葉に、どんどんと前へ前へと進んでいます。

私はAさんに「Aさん、本当に変わったね。すごいよ!」と伝えました。
すると、Aさんの答えは憎らしいほどに謙虚だったのです。

「僕、自分が変わったという感覚、全然ないんです。
なんだか知らないけど、どんどん上手くいって、みんながどんどん成長して、頑張ってくれて。」

「だからそれは、Aさんの関り方が変わったから、その影響を受けてみんなが変わったんだって。
だいたい、1年前は『自分が自分が』だったのに、
今は、すごーくみんなにいろいろ任せているじゃない。褒めるのだって上手だし。」

「自分はもう手一杯だからお願いしないとやってられないし、
褒めてるというか、ありがたいと思うから。」

「ほらほら。もう、言葉遣いも全然違うものね。
まあ、『変わった』というか、『成長した』んだね。」

私のコメントにも不思議そうな顔をするAさん。
彼は心底、自分が変わったという意識はないようでした。
今は合言葉になっている「会社No.1チーム」を実現したい一心で、
そのためにどうするかと考え、必要な行動を取りました。
それがこれまでとは異なる考え方や行動だったというだけで、
Aさんにとっては自然な成り行きだったというのです。

気がついたら上手くいっていた。
最高の状態ですよね。

しかしこれは、Aさんが、
自分の目指すゴールを強く自覚し、深く考え、行動し、振返り、また行動し、を繰り返した結果
であり、ただ何もせずにいたら結果が転がってきた、ということではありません。
行動して行動して、そうしたら上手くいっていた、ということなのです。

今現在の自分の基準・当たり前やこだわりをベースに、
どうやってゴールにたどり着こうかと考えるのではなく、
ゴールに行くためにはどうやって行くのが一番良いのかを考えて、
自分の当たり前にこだわらずに、ベストの行動を取る。

Aさんは後者の考えで行動したのであり、その結果、「気がついたら上手くいっていた」のです。

私たちはとかく、「今の基準」から考えて物事を進めます。
もちろん、こだわりや軸は大切です。
けれどもそれでゴールにたどり着くことが難しいのなら、
一旦それらは脇に置いて、ゴールからの逆算で行動を選択することが必要です。

Aさんの「無意識の成長」から学ぶ、チームを変える本質

Aさんは「自分が変わった感覚がない」と言いましたが、
彼が無意識のうちに行っていたことは、まさに「ゴールからの逆算思考」であり、
「メンバーの可能性を信じ、権限を委譲すること」でした。

私たちは往々にして、「今のやり方」や「今の自分のこだわり」を基準に物事を考えがちです。
目の前のタスクに追われ、問題解決に終始し、
本来目指すべきゴールが見えなくなってしまうこともあるでしょう。
しかし、Aさんは「会社No.1チーム」というゴールに到達するために、
自分の当たり前を疑い、ベストな行動を選択しました
これは、既存の枠にとらわれず、未来から今を見る非常に重要な視点です。

「自分はもう手一杯だからお願いしないとやってられない」とAさんは言いましたが、
これこそが真の「任せる」姿勢です。
管理職がすべてを抱え込まず、メンバー一人ひとりの力を引き出すことで、
チーム全体の能力が飛躍的に向上します。
そして、「褒めてるというか、ありがたいと思うから」という言葉。
これは単なるお世辞ではなく、
Aさんが心からメンバーの成長と貢献を「ありがたい」と感じていたからこその言葉です。
この信頼と感謝の循環が、チームを強くする源泉となります。

このような管理職の変化は、一朝一夕に起こるものではありません。
「可哀想」と囁かれた部署が「会社No.1」にまでなったのは、
Aさんの意識の変化だけでなく、結果として彼の行動がチーム全体に波及し、
組織文化そのものに良い影響を与えたからです。

Aさんの事例は、管理職が自ら変革を起こすための「きっかけ」と、
それをサポートする環境の重要性を示唆しています。
彼らが「変わる」のではなく、「成長する」ための伴走こそが、
組織全体の成長に直結するのです。

あなたのチームも、きっと変われる

Aさんの事例は、特別な才能やスキルが必要なのではなく、
「考え方を変え、行動し続けること」で、誰もがチームを変え、
自身も成長できることを教えてくれます。

チーム運営に悩む管理職の皆さん、そして管理職の育成に心を砕く経営者の皆さん。
「気がついたら上手くいっていた」という状態は、決して偶然の産物ではありません。

インフィニティは、「実践知」と「論理的な視点」を掛け合わせながら、
多くの管理職や経営者の皆さんが、自身の内にある可能性を引き出し、
組織を力強く変革していくプロセスをサポートしています。
組織が抱える課題は様々ですが、その根底には必ず、人の意識と行動があります。

あなたのチームも、そしてあなた自身も、きっと変われます。

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