マネジメント・リーダーシップ組織開発

一番キケンなチームとは

「最もキケンなチームはどんなチームだと思いますか?」

こう問いかけると、実にいろいろな答えが返ってきます。

コミュニケーションが悪い
リーダーがボスすぎる
メンバーの仲が悪い
業績低迷が続いていて負のオーラに完全にはまってしまっている
いわゆるブラック状態

他にも、笑えるものからあまり笑えないものまで、本当に様々な答えを頂くことができます。

しかし!
私が思うに、これらはどれも間違いではありませんが「ビンゴ!」ではないと思うのです。
なぜならば!
どれもこれも、何らかの問題点を挙げているからです。

私のこれまでの経験から見て、「うわっぁ!ここ、キケン。まずいよ~」と思うチーム。
それは・・・・

「問題がない」チームです。
いえ、正確に言うならば、「問題ない」とリーダーや全員が思っているチームです。

どんなチームも完璧であるなどあり得ないのです。
何かしらの問題は必ずあるはずです。
そこが見えていないだけなのです。

「いえいえ、うちのチームはいろいろと対策を打って、ようやく出来上がったんです。だから問題はもう、ないんですよ。」
そう答えたリーダーが以前いらっしゃいました。
「なるほど、出来上がったんですね。それは、今の状態が最高の状態で、今以上に良い状態は望めない。あり得ないという事ですか?」
私が意地悪に質問すると、リーダーは答えます。
「目標の状態に達したんですから、最高だと思います。そりゃぁ、もっと素晴らしいチームは世の中にはあるでしょうけど・・・」
「つまり、このチームは今以上の上は目指す必要はないという事ですね?」

こういうやり取りの時、私はとても意地悪です。
というか、辛辣と言うほうが正しいかもしれません。

リーダーが現状に満足してしまった時点でチームの成長は止まってしまうのです。
金メダルリストが金メダルに満足して、更なる技術の向上を目指さなくなったら終わりです。
世界記録を出しても更に高みを目指してアスリートはひたすら自らの理想を追い求めます。
「今」に満足した時点でアスリートは勝てなくなってしまう。
チームも全く同じです。
リーダーやメンバーが「今」に満足した時点で、そのチームは、そしてメンバーもリーダーも、成長は止まり、衰退へとむかってしまうのです。

平昌オリンピックで金メダル最有力候補とされるスピードスケートの小平奈緒選手の言葉がとても印象的でした。
他を寄せ付けない圧倒的強さを誇りながらも彼女は言います。
「ただひたすらやりたい滑りを磨く。究極の滑りを磨く。」

問題がないチームが良いチームなのではありません。
問題がないチームは最もキケンなチームと言っても過言ではないのです。
問題がどこにあるのか、問題が他にもないかを常に探し求め、そこに必要な正しい対策を講じ、常に上へ上へと成長を目指しているチーム。
「私たちチームには〇〇という問題点があります。それに対して▲▲という対応を行い、改善を努力している真っ最中です。」
こうハッキリと言えるチームこそが良いチームなのでと思います。

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