楽しみにしていた大好きなアーティストの野外コンサートが中止になりました。
決定はコンサートの3日前。
私がそれを知ったのは、前日のラジオでアーティスト本人が「苦渋の決断だった」と告げた時でした。
それはそれはとても楽しみにしていたので、正直ショックでした。
しかし、心のどこかでほんのわずかですが、ホッとしたところがあったのも事実です。
中止の理由はご本人も語られていましたが、連日の異常なまでの猛暑です。
気象庁は「命の危険がある暑さ」とまで伝えています。
ホームページは以下のように伝えています。
「開催予定日は全国的に猛暑とゲリラ雷雨等が予想され厳重な警戒が呼びかけられています。
お客様・関係スタッフ・出演者全ての身の安全・体調を考慮して、関係各所で検討した結果、苦渋の判断ではありますが、(中略)公演中止とさせていただくことと致しました。」
まず最初に考えたのがファンである来てくれるお客様の事。そしてスタッフの事。最後にアーティスト本人の事。
中止には大きな損失が発生しますが、勇気あるその英断に主催者は大きく共感・賛同したそうです。
更に素晴らしいのは・・・
中止に伴う全損失は、最初に中止を申し出たアーティスト事務所で全額賄うつもりだったところ、主催者がその全額補填を申し出たそうです。
しかし、主催者だけでなく協賛各社もファンやスタッフを思っての判断に皆共感し、結果的には応分負担になったのだとか。
「儲け」の利に走るのではなく、お客様や共に仕事をする仲間を第一に考えた「信」や「義」「徳」を大切にした彼らのスタンスにも心を揺さぶられました。
前へ進むことばかりが勇気ではありません。
「初志貫徹」「ぶれることがあってはならない」とただ突き進むだけでなく、時として、退く事の方がより大きな決断を迫られる場合もあります。
賛否がある中、それでも「勇気ある撤退」である中止を決定した関係各社に大きな拍手を送りたいと思います。