最近、マンションの下のフロアに越してきたご家族は分譲賃貸の定期借家契約のようで、もともとのオーナーさんからご挨拶がありました。
この新たなご家族。若いご夫婦に就学前の男の三人家族なのですが・・・・
正直、困っています。
その最たるものとして、ゴミ出しがあります。
塵芥置き場が荒れている・・・
「またあの人・・・」
呆れる私たちをよそに、黙々と綺麗に片付けてくれる管理人さん。
本当に頭が下がります。
つい先日、大きな大きな段ボールが無造作に塵芥置き場に放り投げたその瞬間を私は目撃してしまいました。
呆れて立ちつくす私のことは全く気にも留めない風でしが、私のお節介の虫がムクムクと目覚めてしまいました。
「Aさん。その大きさでは収集トラックは持っていてくれないです。もう少し小さく切るか畳むかして、また、バラバラではなく紐で縛るとかしていただけますか?」
するとAさんは驚いたように、そして少し怒ったように私に言いました。
「そのために管理人がいるんじゃないんですか?高い管理費払っているんだから!」
なるほど。そうきたか。
私は努めて穏やかに言いました。
「管理人さんは私たちがキチンと分別したり整理したりして塵芥置き場に出したものを、収取置き場まで運んで収集車がきちんと持って行ってくれるのを見届けてくるのがお仕事で、私たちが適当に出したゴミを分別したり整理するのがお仕事ですよ。
それに、その大きさのものが塵芥置き場に置かれたら、他の人がゴミを出せないばかりか、ドアの開け閉めも大変ですよね。
ここの管理人さんはとてもよくやって下るのですが、すぐに辞めちゃう方もいらっしゃるんです。
もっと気持ちよく長くここでお仕事していただけるよう、私たちも管理人さんに協力すると、お互いにいいのかなと私は思っているんです。」
最初は憮然としていたAさんですが、管理人さんのお人柄の良さには共感大のようで、「管理人さんが気持ちよく仕事ができる」というフレーズには何かしら響くものがあったようでした。
「私、勘違いしていました。管理人さんの仕事範囲を。コレ、持って帰って、きちんとして出します。すみませんでした。」
「いえいえ。お互い様です。共有スペースを気持ちよく整えてくれている管理人さんが、もっと頑張ってくださるよう、私も気を付けないといけないと思っているんです。私が気づいていないことがあったら、教えてくださいね。お部屋が上下だから、音とか、あったらおっしゃってくださいね。」
そう言ってAさんとは別れました。
同じマンションの、しかも、真下のフロアに住むAさんに言い辛いことを言うのには、やはり勇気が必要でした。
努めて意識したのは「I メッセージ」
「私は〇〇だ」です。
本当のところでAさんがどう感じたかはわかりません。
しかしその後、毎朝のご挨拶が以前よりもフレンドリーに感じられるのは間違いではないと思います。
言い辛いことだから口をつぐむのではなく、前向きな未来のために言い辛いことでも相手に配慮しながらしっかりと伝える、そんな勇気を忘れずにいたいものです。