なかなか予約が難しいレストランの予約をするために、レストランオーナーの秘書Iさんに電話をかけました。
「J社の尾藤ですがIさんはいらっしゃいますか?」
無事予約を終えて電話を切った時、一部始終を聞いていた母がポツリと言いました。
「あなたは何でもかんでもJ社って言うのね。J社なしの自分単体で勝負できないの?」
J社時代、仕事がらみでお世話になっていたIさんだったので、私としては、J社の尾藤と名乗ることは至って普通のことでした。ですから母の言葉に驚きました。
私、J社の肩書で勝負しているってこと?
それじゃあまるで、虎の威を借りる狐じゃない。
あれから二十数年。
J社は誰もが知る大企業ですが、インフィニティのことなんて誰も知りません。「インフィニティの尾藤です」と名乗っても、相手は「誰?それ?」といった感じです。
大切なことは、「私は何者か?」ということであって、どこに所属するかはオマケなのです。
そう言えば、数年前にお仕事をさせていただいたお客様と縁あって再会し、再度お仕事をご一緒させていただくことになるとき、そのお客様が私にお尋ねになりました。
「尾藤さん、今は何者なの?何する人?」
私は、誰に、何を、どのように解決する(提供する)、何者か。
これさえしっかりと語れれば、臆することなく堂々と名乗ることができます。
社名や肩書に頼ることなく、「自分は何者か」と仕事の中身で名乗ることで、仕事への責任と誇りを自覚しますし、初対面の方とも話のきっかけができます。
うちの会社は大手と違って知名度ないから、会社の説明から始めなきゃいけなくって大変なんですよ・・・
と嘆いているそこのあなた。
社名ではなく仕事で名乗ってみてください。
私は、誰に、何を、どのように解決する(提供する)、何者か、と。
きっと、そこからお客様との会話が始まるでしょう。所属はあくまでもオマケです。
「あなた」という中身で勝負をしましょう!