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仕事 思事 賜事 志事

身体が悲鳴を上げてたまらずに駆け込んだ近所の整体院。
昨年開業のそのサロンは、口コミの良さからずっと行ってみたいと思っていたのですがなかなかチャンスに恵まれませんでした。
しかし、絶体絶命のこの時に、奇跡的なタイミングと運の良さが手伝い、お世話になることができたのです。

施術の上手さは評判通りなのですが、私が心から感動したのはそのホスピタリティと共に、「この仕事が大好き!」「お客様の喜び・幸せが私の幸せ!」が言動に溢れ出ているスタッフAさんにでした。

丁寧に丁寧に状態を確認しながら施術を進め、私の疲れが少しずつほぐれてくると、Aさんの声が弾んでくるのがうつ伏せであってもありありとわかります。
「お客様がリラックスなさっていたり、気持ちよくなっているのがわかると、同時に私もすごく気持ちよくなってきて、嬉しくって、本当にありがたいんです。」

「この仕事が大好きなんですね?」

「好き? そう、好きです。だって、こんなにお客様からたくさんの喜びを頂けるんですから。」

Aさんの言葉には嘘偽りは全くなく、媚びへつらいもなく、心からのモノであることがわかります。
整体の仕事をしているというよりも、天職=天命ともいえるコトを成している、それは自分にとってとても幸せな行為なんだと、Aさんの言葉と表情が語ります。

「あれ?時間間違えちゃった。オーバーしてしまいましたが、お時間大丈夫ですか?もちろんお代は予約のモノで大丈夫です。」

そう恐縮して話すAさんですが、間違えたのではなく、それは織り込み済みであることが私にはわかりました。
だって、「間違えた」のレベルではあり得ない時間の超過。
私の体の状態と、来週以降のハードスケジュールを知った上で、それに耐えうるように限界までケアしてくれたに違いありません。
彼女の心づかいがありがたく、迷わず次の予約を入れました。

「お時間オーバーしていただいて、こんなに楽にしていただいて、本当にありがとうございました。」

私が言うと、Aさんは笑顔で答えてくれました。

「こちらの方が『ありがとうございます』です。お客様が楽になって喜んでくださるのが、何よりも嬉しいんです。だから、尾藤様みたいに喜んで頂けると、本当にこちらの方が『ありがとうございます!』と心から思うんです。
それに、痛くて辛いのに、私のくだらない話やおとぼけにも笑ってくださって。辛い人ほど笑うんだって、おばあちゃんが言ってたけど、本当にそうだなと思いました。
この仕事やってて良かった、て、今日も心から実感できて私の方こそ嬉しくてありがたくって、それでお支払いまでしていただけて、本当にありがとうございます!」

Aさんの仕事は、すでに「仕事」ではないのだと思いました。
Aさんにとって仕事は「思事」であり「賜事」であり「志事」なのです。
そこに心(思い)が詰まっており、彼女が与える事でお客様からその何倍もの喜びが賜りものとして彼女に返ってきて、それは「お客様の喜びが自分の喜びでありそのために尽くす」という彼女の志が全ての起点となっています。

こんなスタッフさんがいるサロンなら絶対に大丈夫! と強く思いました。
施術ももちろんのこと、彼女のスタンス・思いの強さにお客様は自然と惹きつけられて離れることはないだろうと思うからです。

あなたの仕事は仕事ですか?
志事ですか?
メンバーはどうですか?
仕事ではなく、思事や賜事、志事にするために、何が必要ですか?

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