「40代前半で、順調に昇進してきて、勉強もそれなりにしてMBAも取ったし、頑張っているという自負があります。しかし、発生する問題に対して一生懸命解を探すのですが見つからないのです。どうしたらいいのでしょうか・・・」
こんな質問が会場から飛び出しました。
これまで学んできたテキストや書籍、様々な人たちの言葉や見識からひたすら解答を探すのだが見つけることができない。解答をメンバーに提示することができない。これでは役職者として自分はこれから先やっていけるかどうか不安で仕方ない。一体どうしたら・・・
といったものでした。
これについては楠木建さんが「一般解」と「特殊解」という表現で解説していたのですが、私なりの表現ではこんな風にお伝えしたいと思います。
そもそも今のビジネスにおいて管理職が解決しなければいけない問題の多くは、既存のコトから解を導き出そうとすること自体が間違っています。
書物や大学院、どこかのビジネス講座で学ぶことができるのはあくまでも「考え方」であって、私達はそれらがピッタリ当てはまるものを探すのではなく、それらをどう応用・活用していくかの力が求められています。
今や、未知のこと、未体験・未経験のことが普通にいつでもあり時代です。
大学受験の過去問を解くように、どこかの参考書に適切解が載っているはずがありません。
だったらどうすれば良いのか?
自分一人の頭で考えるのではなく、みんなで知恵を寄せ合い、みんなの頭で考える。
自分一人の考えに固執するのではなく、正解(お客様)に一番近い人達(現場)の声に耳を傾け、そこから解を導き出す。
一発正解を求めずに、何度でも何度でもという気持ちで取り組む。
これらの考え方が必要なのではないでしょうか。
第一、「自分は頑張っている」「資格もタイトルもある」と言っている時点で間違っています。
そんなものはビジネスの解を求めるのに何の役にも立ちません。
いえ、それは言い過ぎかもしれませんが、それらが絶対ではありません。
あなたがいくら頑張っていようとも、若くして役職者に昇進しようと難しい資格を取得しようとも、それらは単なる「スキル」にすぎません。
そして残念ながら、今はスキルで勝負できる単純な時代ではないのです。
必要なのはビジネスセンスです。
周囲の声を聴き、現場の意見を取り入れ、全く無関係と思えるような事柄にもアンテナを響かせ、様々な事柄を集約してあーでもないこーでもないと知恵を寄せ合い無から有を見出していく柔軟な思考=センスが求められるのです。
解が見つからない・・・
それは解が見つからないのではなく、解を見つける見つけ方(考え方)が間違っているのです。
頑張っているという自負など必要ありません。
それよりも現場の声に耳を傾けましょう。ちっちゃなプライドは捨て、自分の考えに固執するのはやめましょう。みんなの意見を幅広く聴きましょう。もっともっと頭を柔らかく、小さな子供のようにシンプルにしてみましょう。
そうすれば、自然と解は導き出されるはずです。
それでもどうしてもわからない、と言うならば、何度でも何度でも耳を傾け、意見を聴く、話し合う、それを繰り返してみてください。
必ずや解は見つかります。