いくら言っても分かってもらえない。
何回言ったらわかるんだ。
チームを預かるマネージャ―やリーダーであれば、
こんな思いをしたことがある人は多いと思います。
メンバーに限らず、
「あのお客さまにはなかなかご理解いただけない」
「どうやったらあのお客様に分かってもらえるんだろう」
ということもあるかもしれません。
上司の言葉がメンバーに響かない
あなたの言葉がお客様に響かない
それには3つの理由があります。
その1 あなたが熱すぎるから
想いが強すぎるのか、一生懸命過ぎるのか、
聞いている側の表情や雰囲気にお構いなしで、
熱く熱く話をするタイプです。
会話はキャッチボールです。
どんなにこちらの熱量が高くても、
それを丸ごと相手に押し付けては、
受け取る相手はいきなりの熱さについて行けません。
相手の温度を尊重した上で少しずつアプローチしなければ
温度差がありすぎて、
聞こえてくる言葉も、単なるうざったい騒音にしか
聞こえてきません。
「一生懸命想いを語ります!」
と言う部長さんに
「Aさんの場合は冷めてるくらいがちょうどいい」
と冗談めいてアドバイスるすることがあります。
自分の熱量が高いと思う人は、
熱すぎる思いを相手にそのまま投げないよう
相手の温度感への配慮が必要です。
その2 難しい専門用語や横文字・略語のオンパレード
目的はあなたがどれだけ優れた人物かを示すことではなく
相手に理解してもらうことです。
だとしたら、できるだけ相手が理解しやすい言葉や表現で
話しをしなければいけません。
「このままではクラスターがオーバーシュートして
パンデミックになりロックダウンしないといけないので
ソーシャルディスタンスやステイホームを気をつけてください。」
当時、私たちは何を言っているのかさっぱり意味不明でした。
専門用語や簡単な略語や英語は理解していて当たり前
ではなく、
いかに理解してもらうかがポイントです。
あなたが知っている事をひけらかすのではなく
相手に分かってもらうための言葉を選びましょう。
実際、シンプルに語る方が
難しい専門用語や英語を使って話すよりも
遥かに難しいです。
より深い理解や解釈なくして、
平易な言葉を使ってシンプルに話すことはできないからです。
そのために、あなた自身の理解が深いことが前提となります。
その3 相手はあなたの事がキライ、コワイ
あなたの事をキライ、コワイと思っている場合、
それだけで相手の耳にフィルターがかかってしまい、
あなたの説明が100%純粋に伝わらない可能性があります。
仮に伝わっていたとしても、
「あなたの言い分を受け入れたくない」
という心的フィルターが作動します。
頭では分かっても、心(気持ち)が「うん」と言わない。
というやつです。
これが一番厄介ですね。
逆に言えば、少々あなたの説明がマズくても、
「なんかイマイチよく分からないけど、
●●さんが言うならオッケー」
と心で「うん」と言ってもらえたら
どんなに良い事でしょう。
丁寧にわかりやすく、相手の温度に合わせて説明しても
全く相手に伝わらない。響かない。
こんな場合には、
意見や提案ではなく、あなた自身へのNoサインなのかもしれません。
人に伝えることは、
相手への配慮や思いやりなしにはできません。
ましてや、上司だからと上から目線で一方的な物言いでは、
「お口はイエス、心はノーノーノー」
になっても不思議ではありません。
メンバーになかなか伝わらないな
と思ったら、この3つのうちのどれかに当てはまっている可能性が大です。
そして、気がついた点を修正しても尚、
相手に響かないとしたら、思い切ってメンバーに聞いてみましょう。
「不完全燃焼の箇所はどこか教えて?」と。
そして、メンバーがちゃんと教えてくれたなら、
「さっき言ったけどね」
などと間違っても言わずに、
さっきとは異なる説明の仕方、言葉遣いを工夫して
丁寧に丁寧に、もう一度心を尽くして説明をしてみましょう。
「あなたにわかってほしいんだ」
というあなたの誠意がメンバーに伝わった時、
そこから先は、あなたがどうすれば良いか、
きっとメンバーが導いてくれるでしょう。