放下着 ほうげちゃく
シンプルに言えば、「捨ててしまえ!」と言うことです。
そんな思い込み、固定観念、古くからの慣習やべき論など
そんなものは捨ててしまえ!
しかし、本当の意味はそこではないのです。
ようやくできるようになった
やっとここまでたどり着いた
そんな考えさえも捨ててしまえ。
すべての自我を捨てなさい。
と、凡人にはなかなか難しい、まさに禅の極みとも言える言葉です。
管理職の皆さんとお話をしている時、
「彼とは長い間一緒にやっているから、彼の事はわかっている」
「彼女の考えている事はだいたい想像がつく」
などの声をよく聞きます。
そんな時、「放下着」と思うのです。
「わかっている」「想像がつく」と考えた時点で
人は「そのように」聞き、「そのように」捉えてしまいます。
純粋に真っ白な状態で相手に向き合っているのではなく、
あなたが見たいように見て、聞きたいように聞いているのです。
「あいつのことは分かっている」
と上司は思っていても、部下の側は
「部長に本音は言えない」
と、ただ調子を合わせているだけで、仲間うちでは
「言えないよな~」と嘆いているかもしれません。
「お客様の事は経験が一番長い自分が一番理解している」
と上司は思っていても、部下の側は
「課長の考え、今のお客様のニーズとずれてるんだよな」
とそのギャップを感じているけど、
自信満々のあなたに提案の機会を見い出せずにいるかもしれません。
「この前、●●と言っていたからアイツは●●だ」
と上司は思っていても、部下の側は
「周囲の意見も聞いてみたら△△だと思った」
けど考えを変えたことを言えずにいるかもしれません。
固定観念に縛られない、思い込みを捨てる
も大切です。
しかし、その前段として、
自分は知っている、自分は分かっている、自分はできている
を手放すことはもっと大切です。
何より、部下の本音を本当のところは分かっていない。
と思っているくらいでちょうど良いでしょう。
そうであれば、分かっている前提で考えるのではなく、
「知ろう」「理解しよう」と努力もしますし、
そのスタンスが部下からの共感と信頼を一層厚くするでしょう。
放下着 放下着 放下着
自分の知っている、分かっているを捨てて部下と接する。
それだけで、部下はあなたに大きく心を開いてくれるに違いありません。