マネジメント・リーダーシップ

「教えるスキル」よりも大切な、人を伸ばすリーダーの「関わり方」

近所の公園のグランドで、いくつかの少年サッカーチームが練習に励んでいました。
その中に、際立って「育て上手」なコーチの声がありました。

「いいぞ!ユウヤ!今、どうだった?」
「ドリブルがダメだった」
「じゃあ、どうすればいい?」
「ボールをもっと蹴る」
「そうだ!その調子で前へ蹴る!」

子供たちは真剣な眼差しの中に、「できるようになっていることが楽しい」という喜びが感じられ、イキイキしています。

一方で「そうじゃないだろう!おんなじこと言わせるな!」という、ダメ出しと指示出しオンリーのコーチの声も他からは聞こえてきます。

ビジネスの現場でも同じです。
社員を自律的に成長させるリーダーには、このコーチのような「愛とロジック」に基づく3つの共通点があります。

1. 問いかけによって「内省と自律学習」を促す

このコーチは、決して答えを教えません。
「今、どうだった?」
「じゃあ、どうすればいい?」と常に前向きな質問を投げかけ、子どもたちに自分の頭で考えさせます。

これは、ビジネスにおける経験学習サイクルそのものです。

自分の行動(経験)を振り返り(内省)、「何をすべきか」という教訓を自ら導き出すことで、リーダーシップや問題解決能力は定着します。

2. 強みに焦点を当てる「ペップトーク」の技術

このコーチは失敗を指摘するのではなく、必ず良くなった部分を見つけて言葉にします。

「リナ!そうだ、そうだ!負けるな!さっきよりずっといいぞ!」
「リナ、さっきと今と、何が違った?」

これは、強みを活かす考えに基づく育成技術です。
良い変化に光を当てることで、部下の自己効力感を高め、「この人の期待に応えたい」というエンゲージメントを醸成します。

3. 育成を「個人的な指示」で終わらせない愛と工夫

さらに感銘を受けたのは、問題解決をチーム全体に広げる関わり方です。

「リナ、さっきと今と、何が違った?」
「・・・。わかんない・・・」
「ケンタ、見ててどうだった?」
「顔が上がってた」

一人の問題も、全員の問題(ジブンゴト)として考え、相互フィードバックを促しています。
これは、組織開発の視点であり、「顔が起きてた」というポジティブなフィードバックを他者からもらうことで、リナちゃんの学習が強固になります。

そして何より、コーチ自身が教えることを楽しんでいるのが、その表情から見て取れました。

育成において、自分のスキルが高いだけではダメ。
教えるスキルが高いだけでもだめ。
そこには、相手の成長を誰よりも願い応援する「愛」が不可欠です。
それに加えて、このコーチは関わり方も抜群に上手いのです。

【リーダー育成の課題】「愛とロジック」は御社にありますか?

多くの企業では、プレイヤーとしては優秀だが、この「愛とロジック」を持った育成スキルがないリーダーが、現場の育成を停滞させています。

育成の本質は、スキルと愛、そして関わり方の組み合わせです。
御社の次世代リーダーを「育て上手」な自律型人材へと変革させるプログラムにご関心があれば、ぜひお問い合わせください。

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