誰だって変わることができる

「知っている」より「考える」メンバーを育てる

1+1=2の計算の仕方や連立方程式を知っていても、
文章題が解けるとは限りません。
お料理のレシピ通りに調理をしても、
期待通りの美味しい料理が出来上がるとは限りません。

知っていることと理解していることは違います。
理解していることと出来ることも違います。

ところがビジネスにおいて、
業務知識が豊富、物事の理解が速いと「仕事ができる」
と勘違いしている、または勘違い評価になっている場合が見受けられます。

知っていることを正しく理解する。
理解したことができる、活用できるには、
考える力が不可欠です。

知識を増やす覚える力と、知っていることを活用する考える力は別物です。
どちらも必要ですが、
不確かで変化のスピードが速い今は、
考える力を一層鍛えることが大切です。
覚えている間に物事が変わってしまうことさえあるのですから、
考える力、応用する力が必要なのです。

ただし、考える力を養おうとして、「考えろ」といくら言ったところで
何の育成にもなりません。
考えるに必要な基礎知識が必要なことは勿論のこと、
考え方を知る、学ぶことも必要です。

考え方を学ぶには、経験から学ぶ、先輩上司など他者から学ぶ、
歴史等から学ぶ、書物から学ぶなどいろいろです。
ただし、「〇〇と考える」を「知った」だけでは
考え方という知識が増えただけで、考える力が身についたことにはなりません。

考え方を知った上で、「自分の場合はどうだろう」
「この考え方は何に応用できるだろう」など、
まさに「考える」を繰り返すことが必要です。

考える習慣がない人は、考えなければならない事柄に直面した時、
投げやりになったり、人に頼ったり、
考えずに物まねしたり、パニックになったりします。
考える習慣がある人は、解にたどり着けているかどうかは別として、
ああでもないこうでもないと試行錯誤してもがきます。

もしかしたら、考えていない人よりも考えている人のほうが
静かに見えるので、一見前向きに見えがちですが、
必ずしもそうとは限りません。

マネージャーはメンバーの考える力を養うためには、
アクティブかどうか、素直かどうか、などの表面事項に惑わされず、
知っていることをフル活用して、どれだけ自分の頭で考えているか、
それらをしっかりと見極めなければいけません。

そういう意味では、「はい」「やってみます」と
返事が抜群に良い前向きメンバーよりも、
考え込んだり質問を投げかけてくる一見後ろ向きに見えるメンバーのほうが
深く考えているのかもしれませんね。

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