組織診断や360度評価の結果を見せられる時、
チームを預かるマネージャーとしては、
まるで自分の通信簿を見せられた気分になるものです。
まずまずの結果であればなんとなく一安心し、
そうでなければ、自分自身に×をつけられたようで、
平静を装うことすら難しいかもしれません。
私個人は、組織診断も360度評価も好んでお勧めすることはありません。
なぜなら、薬にもなるけど毒にもなる可能性があり、
また、数字だけではわからない本当に知らなければならないことは、
直接聞かなければ、決して知ることはできないと思うからです。
しかし、大規模職場の場合、個別丁寧な対応は、
現実には難しいものがあります。
ですから、診断という手段を取ることを真っ向から否定するものではありません。
何かしらの診断が職場で実施され、
その結果を受け取った時、マネージャーはその「事実」を
どのように受け止め、消化し、活用していけば良いのでしょうか。
診断結果は数値化されていることが殆どで、全回答者合計の平均です。
1-5点評価だとして、A,B2つのチームが以下の通りだとします。
Aチーム:1点3人、2点3人、3点0人、4点3人、5点2人
Bチーム:1点1人、2点0人、3点7人、4点1人、5点1人
両方とも合計31点/10人 スコアは3.1点。
つまり、「普通」ということです。
しかし、同じ結果(得点)でも、その中身は全く異なります。
Aチームは良い悪いの両方にブレています。
良いとつけた人もいますが、悪いと感じている人もそれなりにおり、
そこを見逃すわけには決していきません。
Bチームは普通につけた人が殆どです。
この「普通」は結構な曲者です。
もしかしたら、判断したメンバーの思考が止まっているのかもしれないし、
真面目に答えても無意味と思い、どっちつかずの答えをしたのかもしれません。
悪くつけたら後でとばっちりが来ることを恐れたのかもしれません。
診断結果で大切なのは、表出された数字ではなく、
その数字の「中身」です。
それが分かる診断結果であれば、それをもとに丁寧に対応していけば良いですが、
そこまで開示されていない場合の方が多いかもしれません。
その時は、診断結果をもとに職場の皆で集まって、
具体的にどこをどうしていけば自分たちが目指す理想の職場に近づくのか、
話し合い重ねるなどの取組みが必要です。
診断結果に一喜一憂する必要は全くありません。
本番は、診断結果が出たそのあとです。
「結果を受けて、どうするか」が何よりも大切なコトであり、
それこそが、リーダーの真価を問われるポイントです。
どのような診断結果であったとしても、
これから更に理想を目指していくための大切なヒントがそこにたくさんあると、
喜んで受け取りましょう。
そのうえで、どこからどう手を付けていくのかをじっくり考えるのです。
個別に丁寧にヒアリングを重ねる。
少人数での改善ミーティングをおこなう。
リーダーとして、意を決してサンドバッグになる。
取るべき手段は様々です。
診断結果はあなたの人としての価値を評価するものではありません。
「全体からはそう見えている」客観的なコトと心にとめ、
暴走することなく、悲嘆にくれることもなく、
ただ淡々と、目指す理想に向かって進んでいけば良いのです。