戦略人事

サーベイの落とし穴:Whyから始める選択と、結果活用の失敗談

「社員のエンゲージメントを高めるために組織サーベイを導入したけれど、いまいち効果が出ない…」
「個人の強みを活かすマネジメントと言われても、どうすればいいか分からない…」
そんなお声を多く伺います。

20年近く前、自分の強みを知るために、私が行ったのは、ストレングスファインダーでした。
当時の私の上位5つの資質は、
「戦略性」「最上志向」「達成欲」「競争性」「活発性」であり、「影響力」に強みがあるとの結果でした。

営業マネージャーだった私は、この結果に満足し、ますます資質を磨こうと努力しました。
しかし、これらがチームやメンバーに及ぼす「影響力」を深く考えることをしなかったため、結果として、メンバーを疲弊させる、追い込んでしまうという状態をみずから作ってしまいました。

私の資質である「最上志向」は、メンバーの成果に対しても高い水準を求めてしまいました。
「活発性」は、メンバーの意見を聞かずに、自分の考えで行動を急がせてしまいました。
結果として、メンバーは私の期待に応えようと疲弊し、チーム全体が委縮してしまいました。


世の中には、あまたのサーベイが存在しています。
個人の強みや思考の特性を測るもの、チームの一体感やエンゲージメントを測るものなど、実に様々です。
AIの進化により、サーベイの結果判明スピードは飛躍的に早くなっており、その精度も確実に高まっています。

しかし残念ながら、サーベイを使う側が、「何の目的で(Why)」、「結果をどう活用するか(How)」を明確にしないまま、サーベイ(What)を選択してうまく活用できず、せっかくの効果を見いだせていない組織が多く存在します。

Why(目的): なぜこのサーベイが必要なのか?
How(活用): サーベイの結果を、誰が、どのように活用するのか?
What(選択): その目的と活用方法に最適なサーベイは何か?

ちなみに・・・
数年前に、ストレングスファインダーを再受験した時の、私の上位5つは次の通りです。
「共感性」「戦略性」「ポジティブ」「コミュニケーション」「未来志向」で、「人間関係構築力」が強みと診断されました。
(20年前はそれぞれ11位、1位、18位、7位、22位)

かつての「最上志向」は6位、「達成欲」7位、「競争性」27位 「活発性」9位でした。

ストレングスファインダーの「強み」は、その人が持つ資質であり、基本的には変わりにくいと言われています。
ただし、環境の変化(役割・職場・ライフステージ)や、意識的な自己開発・経験によって、「どの資質が強く発揮されるか」「どの資質をよく使うか」は変化します。

私の場合で言うと、営業マネージャーから、リーダー育成や組織開発コーチという役割に変わったことで、他者と協調する資質(共感性、コミュニケーション)がより発揮されるようになったと考えられます。

これらのことも深く理解した上で、「どのサーベイを選択するか」ではなく、「なぜサーベイが必要なのか」のWhyから始まる選択を検討することが必要です。

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