マネジメント・リーダーシップ

『頑張れ!』はもう古い?令和のリーダーが知るべき、若者世代の動かし方

チームのために頑張れ!
会社のために努力しろ!

昭和のジャパニーズビジネスマン(24時間戦えますか♪)世代なら、頑張った分だけポジションや金銭的報酬で報われるなどの思いから、この言葉に違和感なく行動できる人が多かったかもしれません。

しかし、今の20代、30代の若者世代に、「チームや会社のために頑張れ」と言っても、共感と頑張りを期待するのは難しいでしょう。

彼等にとって、「チーム・会社のために頑張れ」はすなわち、自己犠牲を強いられているのに等しいかもしれません。

実際、コーチング現場で20代、30代の人たちからは、
「上司から我慢を強いられる」「自己犠牲で成り立っている会社ではやっていけない」
などの声が聞こえてきます。

上司の皆さんは、決して自己犠牲を強いているつもりはありません。
しかし、イマドキは、
チームのために頑張れ ⇒ 自分を殺して耐えろ ⇒ 自己犠牲が美徳
と変換されてしまうことが多々あります。

ですから、「チームのために頑張れ」「会社のために努力しろ」を上司は決して口にしてはいけません。

「どうしてそんな風に思ってしまうのだろう・・・」と考えるのは止めましょう。

価値観が違う。ただ、それだけのこと。

私が若い頃は、大学1年の夏休みは自動車教習所に通って車の免許を取り、自分の車を持てたらとても嬉しいと思う世代でした。

しかし、今は車を買うどころか、免許を持っていない若者も大勢います。
彼等はそこに魅力を感じていない。
時代の流れ、世の中の変化とともに、若者の価値観も変わってきている。
ただ、それだけのことなのです。

チームスポーツで「チームのために」が成り立つのは、共通の目標に全員が強くコミットして、それぞれの役割を各自が明確に理解できており、チームのために努力することが自身のWantにも繋がっているからです。
チームが勝つことが、自分が手に入れたい事。
だから、「チームのために」と自然に口にすることができるのです。

では、ビジネスでも共通目標に全員がコミットし、チーム内の役割を明確に理解できれば良いのではないかと考えるかもしれません。
しかし実際にはなかなかうまくいきません。

それは、その人にとってのスポーツの意味(意義)と、ビジネス(仕事)の意味(意義)が異なるからです。

例えば、甲子園を目指している球児たちにとっては、甲子園に出場する事、甲子園で優勝する事。
目的はシンプルにそこだけの場合が多いでしょう。

しかし何のために仕事をしているか、仕事においての意味や意義、つまるところ、仕事に対する価値観は人それぞれです。

お金を稼いでプライベートを充実させる手段と仕事を位置付けている人もいれば、仕事で自己実現を図りたい人もいます。
シンプルにその仕事が好きで行っている人もいるでしょう。

仕事の目的(意味合い)がそれぞれ違う中、「チームのために」と言われても、なかなか難しいのが現実です。

では、マネージャーはどうすれば良いのでしょうか。

一人ひとりの価値観を知り、メンバーが持つ仕事の目的を理解し、それに応じた言葉を選ばなくてはいけません。
1on1の時間を効果的に活用したり、雑談の中からメンバーの価値観を拾ってみたり、「相手を知ろう」と思えば、実は、思いのほか簡単に知ることが可能です。

面倒くさいと思わず、まずはメンバーへの理解を深めること。
それが、昭和のマネジメントにはなくても良かったけど、令和のマネジメントには一層求められていることです。

チームのために頑張れ! は言ってはいけない言葉です。

ポイントは、「自分のために」と部下が思える言い方に変換することです。
他の誰のためでもない、自分自身のために、負けるな! 前へ進もう。
そう思う事ができる言葉を選ぶことです。

「このプロジェクトは、〇〇さんの強みである企画力を活かして、あなたがリーダーシップを発揮する絶好の機会だよ。」

「このタスクは、〇〇さんが将来目指している△△(キャリアプラン)に必要なスキルを身につけるのに役立つよ。」

単にガンバレ!と言うのではなく、メンバーにとって、それが「意味のあること」だと思えるような伝え方がポイントです。

そういった意味では、十把一絡げに号令をかけることで、ある程度コトが進んでいた昭和のマネジメントに比べて、
令和の上司は大変です。
しかし、だからこそやりがいもあるというものです。

頑張れ!令和の上司諸君!
自分自身のために

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