スーパーの日用品売り場で商品を選んでいた時、その向こうにある倉庫から男性の大きな声が聞こえてきました。
驚いて向こう側を覗いてみると、倉庫の扉が少し開いていて、男性ともう一人、向き合って女性が立っていました。
「『とても考えられないような失礼な接客をされました。』と客は書いてあるんだよ!困るんだよね。何考えてんの?!」
大きな声の男性はマネージャーなのでしょうか。
向き合った女性は何か反論しているようでしたがこちらまでは聞こえませんでした。
「いや事実、客は怒ってるだろう!」
あらあら。このスーパーは全くぅ・・・。
あなたがこのスーパーの店長(または男性のマネージャー)だったら、どのように二人に対応しますか?
一体何が問題なのでしょうか?
私が「あらあら・・・」と思った点は以下の通りです。
・店の奥とは言え、お客様に見える、聞こえる可能性のある場所でこのような話をしない。
・「客」と言っている。
・マネージャーは感情的に怒っている。
・相手(女性)の言い分を聞いていない。確認しようとしていない。
おそらく店頭のアンケートボックスにお客様からのクレームが書かれた用紙が入っていたのでしょう。
その対応をしたスタッフに対してマネージャーはあれこれと言っているのですが・・・
このマネージャーの態度を見ていると、彼の最終目的はどこにあるのかが見えません。
「困るんだよ!」は店の評判が下がって困るのか、自分の評価が下がって困るのか、全く不明です。
不適切な応対があったのであれば、その原因をしっかりと確認し、お客様に気持ちよくお買い物をしていただけるように改善をはからなくてはなりません。
もし女性側に知識の欠如や対応マニュアルに対する誤解、礼儀を欠いた日常動作の習慣があるのであれば、それを改める必要があります。
怒ってばかりいても何も改善されず、ただ男性のイライラをぶつけているにすぎないのです。
お客様からのクレームは改善へのチャンスです。
私ならこんな風に進めます。
まずはお客様が書いた内容・事実を冷静に(感情的にならず)女性にしっかりと伝えること。
それに対する女性の言い分・考えを先入観を持たずに予断を排してきちんと聞くこと。
何がいけなかったのか、改善すべきポイントは何なのか、何か欠けているコトがあり新たに取り入れる必要のあるコトがあるのか、などの事柄を確認する。
いつから改善に取り組むのか。すぐなのか、少し時間がかかるのか、誰かの協力が必要なのかを確認する。
もし個人の問題ではなく組織全体が関連する問題だとしたら、必要箇所・メンバーを巻き込んで対応に当たる。
それと、「客」は許せません。
マネージャーは厳重注意ですね。
「客」とお客様を軽視した物言いのマネージャーの心の裏側の本音がスタッフに伝染して不適切な応対になってしまったのかもしれませんよ。
まずはマネージャーの言葉遣いを改めなければいけませんし、お客様から見える・聞こえる話でこのような話をすることも改めなければいけません。
厳しい話ですが、「スタッフが不適切な行動をしたならば、それはマネージャーである自分にも不適切な部分があってそれがスタッフに及んでいる。スタッフは自分の鏡である。」くらいにマネージャーは自らを戒めて丁度いいのかもしれません。
「子供を見れば親がわかる」ではありませんが、「スタッフを見ればマネージャーがわかる」のです。