マネジメント・リーダーシップ

「ダメ社員」が「トップセールス」に?私の失敗談と「全員野球」の真髄

「彼、いらない」私がそう言ってしまった社員

かつて、就職人気ランキングで常に上位に入る企業でマネージャーをしていた私の営業チームに配属されたのは、ピッカピカに輝く履歴書の持ち主A君でした。
ところが履歴書の輝きとは裏腹に、A君のパフォーマンスは「イマイチ」どころか「イマ10」というのが私の印象でした。

マネージャーとしてまだ未熟だった私は、彼を何とかしようと焦り、口うるさくあれこれ指導しました。
しかし、私の言葉はA君を奮起させるどころか、どんどん萎縮させていきました。
その結果、彼のパフォーマンスは上がるどころか、明らかなモチベーションの低下や取り組みの停滞が見られるようになりました。

「彼、いらない。異動させてほしい」と私は内心思っていました。
彼個人の能力が足りない、採用の間違いだと、勝手に決めつけていたのです。

衝撃の知らせ:まさかのトップセールス!?私が間違っていたこと

その支店から私が転勤して1年が経った頃、当時、同じチームだったメンバーから驚きの知らせがもたらされました。
なんと、かつて私が「いらない」とまで思っていたA君が、営業本部管内のトップセールスとして表彰されたというのです。

「何を間違えたんだろう?」と負け惜しみを言いつつも、彼がダメだったのではなく、私がダメだったのだということに気がつきました。
私はA君の「できないところ」ばかりに目を向け、それを修復しようとすることに必死でした。
メンバーひとりひとりの個性を見るのではなく、それぞれが完成された営業になることを求め、個人商店のように戦わせようとしていたのです。

真の「全員野球」:強みを活かし、弱みを補うチームの魔法

後任のマネージャーは、私とは全く異なる視点でA君とチームを捉えていました。

「A君の強みはココ。ここで勝負させよう。苦手なところはチームでフォローする」

そう言って、彼は営業チーム6人全員でA君を支える「総力戦」を仕掛けたのです。
例えば、A君が苦手としていた資料作成は別のメンバーがサポートし、彼の強みである顧客との粘り強い関係構築や情報収集に集中できる環境を整えました。
それはA君に限ったことではなく、それぞれが自分の強みでチームに貢献し、苦手なところはフォローしてもらうことを感謝と共に受け入れる、まさに、「全員野球」そのものでした。

個人それぞれが単独で戦うのではなく、チームとして互いの強みを活かし、弱みを補い合う。
それが一人ひとりの成果を最大化し、結果的にチーム全体の成果も高める。

A君に「おめでとう!」の連絡を入れた時、「僕の成果は、チーム全員の成果です」と彼は嬉しそうに話をしてくれました。

この経験は、私にとってまさに「全員野球」の真髄を学ぶ、かけがえのない教訓となりました。

組織が「人」を育み、「人」が組織を強くする

A君の劇的な変化は、私に大きな気づきを与えてくれました。

「できない社員」がいるのではなく、「社員のポテンシャルを活かしきれていない組織の仕組みやリーダーシップ」があるだけなのではないか、と。

個人の欠点を見るのではなく、その人の強みを見つけ、チームとしてどう活かすか。
そして、社員一人ひとりが「ジブンゴト」として業務に取り組み、「自分の責任」と考えて総力戦を戦えるチームをどう創るか。

あなたの会社では、今いる社員の「強み」を最大限に活かせているでしょうか?

もし、あなたの会社にも、まだ見ぬ「トップパフォーマー」が隠れていると感じるなら、「全員野球」で、社員一人ひとりが輝き、組織全体で総力戦を戦うチームを目指してみませんか?

『組織を強くする実践知』
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