「私は正しいことを言ったのに、なぜ伝わらない?」
そんな経験、ありませんか?
上司に意見したのに、スルーされた…
部下に厳しく指摘したら、逆にやる気をなくされた…
正論を言ったはずなのに、関係が悪化した…
「伝え方が悪かったのかな?」と考えることはありますよね。
でも、本当に伝え方だけの問題でしょうか?
実は、伝え方の失敗の多くは、伝え方のテクニックではなく、感情の問題 です。
「いい加減にしてほしい」
「それでも上司?」
「もう辞めてくれたらいいのに」
こんな強い ネガティブ感情 を持ったまま発した言葉が、
相手に届くことはまずありません。
今日は、「正しいことを言ったのに伝わらない…」という問題の本質と、
感情マネジメントの重要性についてお話しします。
1. 私が「伝え方を間違えた」過去の失敗
社会人1年目:「それでも上司ですか!」と噛みついた過去
社会人1年目の夏、私は 隣の課の課長に正論をぶつけた ことがあります。
同期のMちゃんが毎日泣いているのを見て、我慢できずにこう言いました。
「それでも上司ですか!ちゃんとしてください!」
結果は、見事にスルー&直属の上司に叱られる というオチ。
「私は正しいことを言ったのに、なぜ伝わらない?」
…今ならわかります。
私は 正論を言ったのではなく、怒りをぶつけただけ だったんです。
社長への意見具申:「あなたの考えは間違っています!」
もう一つの大きな失敗は、15年以上前のこと。
当時の社長に、会社のためを思って意見したことが、
結果的に社長の不興を買い、関係が完全に壊れた ことがありました。
蜜月だった関係が一転し、最後にはこう言われました。
「もう一緒にやっていけません。辞めてほしい。」
あのとき、私は 「会社のために」と思っていたけれど、
実は社長の考えを真っ向から否定するような言い方をしていた んです。
人は、どんなに正論でも、「あなたは間違っている」と言われると反発する。
私は 「伝えること」よりも、「自分の正しさ」を主張すること に夢中になっていました。
2. 最近の失敗:「所詮女だから」と言う役員への対応
最近、またやってしまった失敗があります。
ある会社の役員のお一人が、典型的な 男尊女卑タイプ で、
こう言っているのが耳に入りました。
「女からコーチングは…」「所詮女だから」
私は この方に対してマイナスの10乗くらいの感情を抱きました。
そんな折、その方の部下がその方の愚痴を言っているのを聞きました。
折しも、その方とミーティングの予定が入っており、
私はその方のある言動について ドスレートに「いけない」と言い切ってしまった のです。
社長や他の役員は「よく言ってくれた」と感謝してくれました。
でも、当の本人には全く響かず、シャッターを固く閉ざされました。
「私は正しいことを言ったのに、なぜ伝わらなかったのか?」
答えは簡単。
私は 「この人に良くなってほしい」という目的よりも、
「この人に怒りをぶつけたい」という感情に支配されてしまった のです。
3. 伝え方の問題ではなく、「感情の問題」
伝え方の本を読んで、テクニックを学んでいても、感情が暴走すると台無し になります。
どんなに「伝え方の技術」を知っていても
怒りがこもった言葉は、相手に届かない
伝える目的よりも、自分の憂さ晴らしが優先されてしまう
「伝え方が悪かった」のではなく、「感情に飲まれた結果、伝え方を誤った」
本当に大切なのは、「伝え方」ではなく、「感情マネジメント」 だったのです。
4. 感情マネジメントのためにできること
では、どうすれば「感情に振り回されず、適切な伝え方ができる」のでしょうか。
ここで大切なのが、「感情が暴走する前に、冷静になるための習慣」 です。
①「私は何のためにこれを伝えるのか?」を一呼吸置いて考える
② 「自分の感情は今、どこに向かっている?」を観察する
③ 「憂さ晴らしではなく、目的に沿った伝え方になっているか?」を確認する
④ 感情が強すぎるときは、いったん持ち帰る(感情が収まってから伝える)
これを実践するだけで、伝え方の失敗がぐっと減ります。
5.「伝える技術」よりも、「感情マネジメント」が大事
「伝え方を間違える」原因は、伝え方の技術ではなく、感情が先走ること
本当に伝わる言葉とは、「感情を整えた上で、相手が受け取りやすい形で伝えること」
感情を整えることで、伝え方の技術が本当に活きる!
正論を言ったのに伝わらなかった経験はありませんか?
それは、「伝え方」の問題ではなく、「感情の問題」かもしれません。
次に何かを伝えるとき、ぜひ 「私は今、冷静か?」 を考えてみてくださいね。
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