物心ついた頃から日曜の夜はカルピスこども劇場、サザエさんと見るのが楽しみでした。
アルプスの少女ハイジやフランダースの犬の話に涙しながらも、小さな可愛らしい女の子が、氷がカラカラと音を立てて回るグラスに入ったカルピスを美味しそうに飲むCMの時間にホッと心和ませたものです。
「お魚くわえたドラ猫♪」のテーマソングが始まると、カルピスから東芝製品にCMは変わります。そのためか、幼い頃は家電メーカー=東芝と思っていたほどでした。家にはナショナル製品も日立製品もあったにもかかわらずです。
カルピスこども劇場はハウス食品世界名作劇場に変わり、大人になる頃にはなくなってしまいました。
それでも、サザエさんはずっと東芝のままで、また、ずっと変わらずにサザエさんだということもあり、日曜夜の心休まる時間でした。
そのサザエさんが東芝でなくなります。
企業の個別事情によるものなのでいた仕方ありませんが、日曜夜の象徴だった灯りが消えてしまうだけでなく、東芝という大きなブランドが影を潜めてしまうことが、今の日本の暗澹たる状態を象徴しているようでやるせない気持ちになってしまいます。
インフィニティができることは本当に僅かなことです。
しかし、例えばサザエさんはずっと東芝であったことが、もちろん、戦略的理由による撤退は致し方ありませんが、財政上の理由からの撤退には陥らないよう、「人と組織」という観点からのお手伝いはできると自負しています。
一人ひとりの人がイキイキと自分らしく輝ける職場づくり。それは企業を元気にすることであり、日本を明るくすることだと思っています。
サザエさんの合間に流れる東芝のCMを見ながら、「世の中に必要とされ、ずっと元気で居続けられる組織づくり」への外部支援者としての決意と覚悟を一層強くしたのでした。