「できるメンバー」や「結果を出せるメンバー」がいるとマネージャーとして、またリーダーとしては本当にありがたい限りです。
ハッキリ言って、やることない。お任せ状態でも彼らは勝手に仕事をしてくれるでしょうから。
ただこの頃、痛切に感じるのは、「どんな状況でも、いついかなる時においても前を向けるメンバー」を育てることの方が大切だという事です。
「結果」はある意味、時の運に左右されます。
私も目標予算達成間違いないと思っていた年に米国同時多発テロ、いわゆる9.11が起き、達成どころか大幅未達で終わってしまったことがあります。
自分では如何ともしがたい状況に抗う術もなく、ただ流されるままだったことを覚えています。
「できる」ということは知恵や知識、スキルがあり、それらを上手く使える術を知っているという事。それが「結果を出せる」ということに繋がります。しかし、どんなに「できる」人でも、必ず「結果を出せる」かは別問題です。
重要なことは自分にとって逆境の時であっても「前を向いていられるか」ということです。どんなに実力があっても後ろ向きであっては結果を出すことはできないからです。
春には若い力が希望を胸に、社会人としての新たな一歩を踏み出します。
年々、現場には余裕がなくなってきており、新人と言えども即戦力的な働きを求めることも多々あります。
しかし、マネージャーとして大切なメンバーを預かる時、心掛けたいことは、「できる社員」を育てることではなく、「逆境においても前を向ける社員」を育てることだと思います。
そのためには何が必要か。
彼、彼女たちの一人一人の個性を見極め、彼らが目指したい将来を共に見据え、深い愛情と忍耐で彼らの成長を温かく見守っていく覚悟をマネージャー自身が持つことだと思います。彼らの心に常に寄り添うことです。
メンバー一人を預かるということは、そのメンバーの人生をも一緒に背負うという、それくらいの覚悟をマネージャーは持ってほしいと思います。
そんな大袈裟な・・・
と思われる方もいるかもしれません。
いえ、それくらいにメンバーを預かるという事は大きな責任を伴うということを忘れてはいけません。
そうやって深い愛情と忍耐で自分を常に厳しくも温かく見守ってくれている人がいると分かれば、例え、一時的に目標を見失ったとしても、そのメンバーは再び前を向いて進むことができるのではないでしょうか。
そう考えると、マネージャーとはメンバーのお陰で、「人として鍛錬を積み重ねていき、自分自身が人間成長を遂げていくことができる」、実にありがたい役割りだとつくづく思うのでした。