いつもの近所のスーパーの納豆・お豆腐などの陳列棚。
私が好きなメーカーの納豆を手にしようとした時、その隣に黒い物体が!
ハエです。
一瞬、納豆を手にすることをためらいました。
するともう一匹現れました。
2匹のハエ。
八百屋さんの店先ならさほど気にならないでしょうが、スーパーの陳列棚に現れたハエは、私に納豆の購入を躊躇させるだけの威力がありました。
たまたま隣の練り物棚に商品を並べていた店員さんがいたので思い切って声をかけてみました。
「すみません。納豆にハエが2匹止まってるんですが・・・」
すると、私が予想しなかった驚きの返答が返ってきました。
「え? ハエ? どこから来たんでしょうかね。」
そう言って、何もなかったように忙しそうに商品を並べることに専念し始めたのです。
スーパーにハエがいることを気にする私がおかしいのか・・・
そもそも、八百屋なら気にしないのにスーパーなら気になるのは何故か・・・
納豆とかお豆腐の棚じゃなく、向かいの鮮魚コーナーにハエがいたらきっと係りの人はものすごく気にするだろうに・・・
その隣の総菜コーナーだったら・・・
パン売り場だったら・・・
色々な事が頭を巡りました。
多くはパートさんから成り立っているスーパーの店員さん。
商品陳列をしている人は間違いなくパートさんです。
社員教育がそこまで行き届かないんだろうな・・・
そんな風にも思いました。
納豆の購入は取りやめ、悶々としながら生活雑貨の売り場へ移動した時、店長さんに会いました。
「こんにちは!」
顔見知りの店長さんが声を掛けてくれたので、思い切ってハエの話をしてみました。
「あのね、納豆の上にハエが止まってたの。だから買うのやめちゃった。」
すると店長さんは、大急ぎで他のコーナーでもハエが飛んでいないかのチェックと、新入経路と思われる商品搬入口の点検の指示をリーダーの方に出しました。
「ありがとうございます。たかがハエ1匹でも場合によっては大問題になりますから。」
「あのね、さっき店員さんに言ったけど相手にされなかった・・・」
「申し訳ありません。」
「いえいえ、文句言っているんじゃなくて、パートさんの入れ替わりもあるだろうし教育の徹底大変なんだと思って。価値観の違いもあるし。けど、商品陳列の仕事であっても、店内で仕事をする以上はお客様と会話をする機会もゼロではないわけで、そういう方達のちょっとした動作や発言がお店の印象を左右することは少なからずありますよね。」
店長さんは少し考えて、今までそこまで考えたことはなかったが、お客様に気持ちよくお買い物をしていただくにはこれまで以上に細かい配慮が必要かもしれないと、パートさん達への対応方を見直すことにしてくれました。
「サービス向上」と一口に言ってもいろいろです。
目に見える分かりやすいものから1000回に1回あるかないかのレアケースに驚きの素晴らしい対応ができるものまで、突き詰めれば限りありません。
しかしだからこそ、「うちの店はこれでいい」「これで大丈夫」はなく、常に上を目指していくことが大切なのだと思います。
サービス業って奥が深い。
スーパーって小売業でしょ。
と言われるかもしれません。
いえ、すべてのビジネスはサービス業なのだと思うのです。
何事も完全・完璧はない。常に改善・進化を目指さなければ衰退してしまうのです。
強いものが生き残るのではなく、進化(変化)できたものが生き残る。
インフィニティ3期目に入った今日、1匹のハエをきっかけにインフィニティの更なる進化を決意したのでした。