子供の頃から母に「足るを知りなさい」とよく言われていました。
無駄遣いと思われる買い物をしたり、
自分の懐具合と相談せずにモノをほしがったりした時
必ず「足るを知れ!」と言われたものです。
もうずいぶん前になりますが、ひどいストレスでプチ買い物依存症になってしまった時も
母は、私のストレスの原因や、そもそも気持ちが病んでいることは気づいていなかったので
無駄遣いがエスカレートした、くらいにしか思わず
「足るを知りなさい!」と、かなり強い口調で言ったものです。
買い物依存症は「目に見える現象」であって、
その行動を引き起こす真因は別にあるので
無駄遣いやめろ~ と言われても全く効果ないのですが
(システム思考のお話ですね。これについてはまた後日♪)
「足る」を知る=我慢しろ!
と言われているようで、私は本当にこの言葉が嫌いでした。
さて、先日、マネジメント研修において、
「メンバーの限られた能力でどうやってこのミッションをやってくの・・・」
(要は、うちのメンバー、能力ないよ~ と言っているわけです)
とご相談を受けた際、この「足る」を知る がふと思い浮かびました。
「足る」というのは、今あるもので十分なはず、これで我慢しようね~
的な意味合いに私には感じられます。
だから、とてもストレスを感じます。
だって、足りない、もっとほしい、とこちらは思っているわけですから。
ところが!
常日頃、メンバーの良いところを見つけましょう! とお伝えしている時、
「これだけしか能力ない・・・」「これだけしかできない・・・」ではなく
「こんな能力がある」「これができる」という視点でメンバーを見ましょう
ギャップアプローチではなく、ポジティブアプローチですよ
とお伝えしており、まさにこれは「足る」ではなく、「有る」なのだと
解説しながら気がついたのです。
実際、私自身、「有る」を知るに見方を変えたところ、
マネジメントのみならず、生活においても苦痛がなくなり、
物事がスムーズに進むようになりました。
我慢がなくなったわけですから、ストレスが減ったのだと思います。
お陰で、お部屋やクローゼットからも余分なものが一切なくなり
快適な住生活空間を維持しています。
冷蔵庫の残り物でちゃっちゃと美味しいご飯を作るお母さんは
まさに、「有る」を知って、その能力を最大限活用している
キッチンにおけるスーパーマネージャーなのかもしれません。
ジャガイモとニンジンがないからカレーは作れない
とかは決して言わないと思いますから。
「足る」を知る
ではなく
「有る」を知る
皆さんのメンバーの「有る」をできるだけたくさん見つけてみてください。
きっと、新たな発見が生まれてくることと思います。