マネジメント・リーダーシップ

キャパ越えメンバーの対応を間違えてはいけない

仕事の「質」が高いことと、
「量」に対応できることとは別能力です。
どんなに生産能力の高い機械であっても、
それを上回る生産量を強いられれば対応不可、
すなわちオーバーキャパシティ(キャパ越え)となります。

キャパ越えになるのは能力がないからではなく、
能力に対する業務量が適性を超えているからです。
ですから「能力が足りない」と嘆く必要はありません。

ビジネスにおけるキャパシティは、
ある程度はトレーニングによって広げることはできます。
しかしそれは、新入社員が経験を積むことで、
異動で新たな業務に慣れることで、などの場合であり、
個人がもともと持ち合わせている特徴もあるので、
鍛えたから格段に広がるというわけではありません。
過剰な負荷は、ややもすれば
キャパが広がる前に潰れてしまうことさえあるので、
マネージャーは仕事量の調整において、
メンバーの資質をしっかりと見極めることが必要です。

もし自分がキャパ越えになっていると思ったら、
次の3つの対応をお勧めします。

1、上司に相談する
勇気が必要かもしれませんが、しんどい状態で頑張り続けるよりも、
上司に気持ちを正直の話、解決法や対策を一生に考えてもらうことで、
精神的負担から解放されるかもしれません。

2、休む
キャパ越えに陥っている時は、常にフル回転状態です。
どんなに高性能の機械も休みなしに働き続けることはできません。
いったん休み、リフレッシュをすることで、新たな発想が生まれるかもしれません。

3、ギブアップの声を上げる
「ギブアップする」ことは決して恥ずかしいことではありません。
自分がキャパ越えになっていると思いながら引き受けて、
満足のいく結果に導くことができないのは、
誰よりも自分に対して可哀想な行動をしていると考えましょう。
ギブアップすることは自分を大切にすることであり、
それは相手に対しても誠実な対応なのです。

もしメンバーがキャパ越えになっているなと思ったら、
またはキャパ越えの相談を受けたときは、
メンバーの気持ちに第一に寄り添いましょう。
あなたに相談するにはとても勇気が必要だったことでしょう。
決して、
「これを乗り越えたら成長できる」
「経験を積むことで対応できるようになる」
「君だったらできるようになるはずだ」
「今が頑張りどころだ」
などと安易に言葉をかけてはいけません。
あなたの基準で考えるのではなく、
メンバーの現生産能力に対して業務量が適正なのかを
冷静に判断しなければなりません。
ストレッチのつもりで与えている負荷も、
人によって感じ方や対応可否があることを覚えておきましょう。
気持ちが折れてしまっては、
もともとの能力を十分に発揮することができなくなり、
余計に生産能力が落ちて負のスパイラルに陥ることを忘れてはいけません。



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