リーダークラスの研修終了後、中でもとても積極的に参加してくれていたNさんが、ちょっぴり不満げな様子で話しかけてきてくれました。
「アクションラーニングセッションなんですけど、最初の僕が課題提示者だった時よりも、2回目の違う人が提示者の時の方が、質問もたくさん出ていただし、なんか、円滑に進んでいたと思うんですけど。なんか、ちょっと悔しくって。あれは、僕が提示者として答え方とかが至らなかったからなんでしょうか?」
負けず嫌いのNさんらしい、とても前向きな発言です。
しかしこの場合、Nさんともう一人に違いがあったわけではなく、1回目にNさんの提示で実施した後、それらの経験を生かしてさらに上手く2回目を実施するために努力しようと全員で振り返りポイントを確認し、その後、新たな提示者で2回目の実施をしているため、1回目と2回目の違いがあったのは提示者の違いというよりは、チームが1回目の経験を学びに変えて2回目を実施できたといった方が正しいのです。
「Nさんがどうのではなく、『チームが成長した』んだよ。Nさんの時の1回目の経験と学びがあったからこそのチームの成長だよ。」
「そうですか・・・・。けど、やっぱり僕、悔しいんですよね。僕の時の方が活発じゃなかったのが・・・」
やっぱり不満だと言わんばかりにほんの少し唇をとんがらせてそう言うNさんを見ていると、何ともたまらず愛しくなってしまいました。
「Nさんはスゴイ頑張り屋さんなんだね。けどさ、これこそが、これからのNさんの課題かもしれないね。
今まではプレイヤーとして一番を目指して頑張ってきた。けどこれからは、チームを持って、チームの成長を後押ししながら自分も結果を出していくという、2つのことを同時にやっていくことが求められてくる。チームの成長、メンバーの成長を自分と同じに順位づけて関わっていく。これって、口で言うのは簡単だけど、結構難しいよね。誰だって、自分の方が可愛いもの。けど、リーダーはチームを一番に考えることが求められてくる。Nさんにとって、新たな挑戦課題が見えてきたんじゃないのかな?」
「そうですね・・・。チームを一番にか・・・。そうかもしれませんね。」
そう言って考え込んでしまったNさんは、すでにリーダーとしての自覚が芽生え始めているように感じられました。
研修でこちらが伝えたコト以上に多くを感じ、学びに変えてくれたNさん。
君はきっとチームを思う頼れるリーダーになるに違いありません。