夜中に、右膝裏の靭帯から外側部筋肉を通ってくるぶしにかけてとても痛み、眠れなくなってしまいました。
激しい運動をしたわけでもないのに、とにかく痛みがとても強く、涙目になってしまうほどです。
朝になっても痛みは引かず、ほんの少し動かしだけでも悲鳴が出そうなほどの痛みです。歩くことはおろか、右足は曲げ伸ばしが全くできません。
突然の激痛に不安が募り、永年お世話になっている整形外科を受診しました。
もう20年近くお世話になっている先生。しかし、今回は様子が違いました。
足の稼働域や痛みの箇所をズボンの上から確認し、レントゲンを撮りました。
「骨に異常はありませんね。筋を違えたんでしょう。湿布と痛み止めを出しておきます。」
あまりにもあっさりとした診察に、あっけにとられてしまいました。
痛みの箇所は茶色くなっていました。しかし、先生は素足を見ようとは全くしません。
「あの、物凄く痛みが強くて・・・」
「だから痛み止め出しますから、それ飲んでください。」
怒気を帯びたような強い口調に、私はそれ以上、続けることはできませんでした。
ずっとお世話になってきた先生だけど、決して愛想が良いタイプの先生ではないけれど、いつも、もっと丁寧に診てくれていたし、私の話も聞いてくれた。でも、今回は、服の上から軽く触れただけで患部を見ようともしなかったし、思い当たる原因を尋ねることもしなかった。
先生、忙しくてイライラしていたのかしら・・・・
もう、この病院来るのはやめよう。整形外科はココよりも近い病院が他にもたくさんあるし。
心の中で、そんなことを思いました。
20年間の信頼が一気に音を立てて崩れた時でした。これまでとてもお世話になりましたが、今回たった1度の事ですが、「もう、無理・・・」と思ったのです。
せめて、話を聞いてほしかった。たいした病気やケガではないのかもしれないけど、夜も眠れないほど辛いという訴えに耳を傾けてほしかった。気持ちに共感してほしかった。
弱っているときほど共感はほしいもの。ただ、話を聞いてほしいもの。
レントゲンの結果だけで終了してしまうのではなく、気持ちに寄り添ってほしかった。
忙しい先生は、きっとそれどころではなかったのかもしれません。
マネージャーも日々、恐ろしい忙しさの中で、メンバーの弱音や泣き言を聞いている暇などないかもしれません。
それでも、弱気になっている時、負けそうな時、くじけそうな時。
どうか表面的理解だけで終わらせるのではなく、メンバーの表情、声のトーンや大きさ、雰囲気など、目に見えている様子だけで判断するのではなく、内面がどうなのかも推察して必要な関りをしてあげてください。
今回、私が一番嬉しかったのは、ご近所の13歳年上の顔見知りの道子さんが、病院帰りにバッタリと出会った時に取ってくださった行動です。
手持ちの紙を破り、お名前と携帯電話番号が書いて、私に手渡してくれたのです。
「目と鼻の先に住んでいるんだから。お友達やお姉さんもいるだろうけど、本当に辛い時や困った時は、近くの他人を頼ってね。」
道子さんに多くを語ったわけではありませんが、私の心細そうな様子を見て、私の気持ちを悟ってくださったのだと思います。
道子さんとはずっとお友達でいたいと思ったし、道子さんのお嬢さんやお孫さん達のために、私ができることは何でもお手伝いしたいとも思いました。
道子さんみたいなマネージャー(上司)だったら、安心して何でも話せるな。病院の先生が上司だったら、口を閉ざすかも。などとも思いました。
人には感情があるのです。
表面上の解釈で物事を進めるのではなく、目に見えないところにまでしっかりと感度を働かせて、メンバーの気持ちに寄り添う、そんな上司でいたいものです。