誰だって変わることができる

負けたからこそ学べたこと

レスリングの吉田沙保里選手が引退しました。
長きにわたって日本の、いえ、世界の女子レスリング界を牽引してきた彼女の引退会見は実に清々しく、人としての前向きさ、素直さ、謙虚さが溢れ出ていました。

私が最も印象に残ったのは、彼女の17個のメダルの中で、最も思い出深いものはリオ五輪の銀メダルだと、その理由について語った内容でした。

それまでは、金メダルの頂点に立つことで、「やった!嬉しい!」と単純に喜んでいた。
けれどもリオで負けた時、初めて「負けた人はこんなに悔しいんだ」と、負けた人の気持ちが分かった。
試合で戦ってくれる人、練習で競い合ってくれる人、そういう人たちがいて初めて自分は頂点に立つことができていた。
負ける人がいるから自分は勝てていた。
負けて悔しい気持もたくさん味わったし、周囲への感謝も一層強くなった。
負けたことで、色々なことに改めて気が付くことができて、人としてたくさんを学ぶことができた機会であり、そのおかげでまた成長することができたと思っている。

おおよその内容はこんな風だったと思います。

負けて悔しい気持ちは多くの人が味わうことでしょう。
しかし、負けて周囲への感謝や人としてのあり方を学ぶという吉田選手に、彼女の人としての大きさを私は感じたのでした。

また、レスリングをしている子供たちへのメッセージとしてこんなことを言っていました。

スパークリングとかやっている方が面白い。でも、腹筋とかスクワットとか、そういう日常の基礎をとにかく最初は徹底的にやって、そういう単純なことを続けていく方が人は大変だけど、それをとにかくちゃんとやって、それから技術的なことは後からやればいい。基本をまずはきちんとやることが大切だから。

これ、何もレスリングに限ったことではないですね。
色々な資格とか、スキルとか、実績とか、そういうものよりも、まずは人としてのあり方を整えることが大切。その土台が揺らいでいては、どんなに難しい資格を取得したりスキルを身に着け、実績を上げたとしても、それらはいずれも薄っぺらいメッキのようなもので、何かの拍子に簡単に剥がれてしまう。まずは人としてのあり方、一人の人間としてどうありたいか、どんな人間でいたいか、そこをしっかりと意識して土台を築くことが大切。
そんな風に捉えました。

吉田選手は人としての土台がしっかりと出来ているからこそ、負けて更に大きなものを掴んだのかもしれません。

競争社会に生きる私たちは、とかく勝つこと、競って優位に立つことばかりに意識が向きがちです。
しかし、勝つことばかりが正解ではない。負けて学ぶことの方が大切な場合もある。
吉田選手の会見を見ながら、そんなことを考えたのでした。

あなたはこれまでに「負けたこと」「失敗したこと」からどんなことを学びましたか?
その学びは、今、あなたにどんなふうに活かされていますか?

タイトルとURLをコピーしました