仲良くなった友人のコーチング。
とってもおしゃべりな彼は、私が何か質問すると、
間髪入れずに「あ、それはね」と話を続けます。
「あのね、今、振返りしているからね」
と私がその先の言葉を続けるその前に、
「あ、僕ね、昔から振返り得意で!」
と来たものですから、私の小爆弾が彼に落ちました。
思いついたことをすぐ口にするんじゃない!
そんなの頭や心の表面に浮かんでいる上澄みをすくっているだけ。
そうじゃなくって、奥深く、一番深い所に沈んでいるモノ、
まだ気がついていなかったり、見たくなくって隠していて忘れていたり、
そういう深ーいところまでしっかりと見つめるの。
だから、なんでもかんでもすぐ口にするんじゃなくって、
ちゃんと考えて!!!
私の小爆弾の効き目は抜群だったようです。
「だったら僕は今まで、振返りなるものをやったことはないんじゃないか・・・」
と呟き、それ以降は、
10分間の沈黙(彼のThinking time) ⇒ 私の質問 ⇒ 長ーい沈黙
と繰り返し、ついに、50年もの間、心の奥底に彼が封印していたものを
彼自身が自分で引き揚げて解放することができました。
「こうやって考えていくんだ・・・」
涙と笑顔でぐしゃぐしゃになったその表情には、
少年のように純粋で真っ直ぐな気持ちが表れていました。
振返りの力って、本当にスゴイのです。
しかしそれは、「正しい」振返りをしなければ意味がありません。
上澄み液をひょいとすくうだけでなく、
しっかりと奥底に沈んでいるものまですくいあげる。
そのためには、自分で自分に何度も何度も問いかける、
なぜを繰り返して問いかける、
一人で難しければ他者の力を借りてみる、
などが効果的です。
それにしても、彼の沈黙、最長12分。
よくも待つことができたと、自分でもビックリです。
彼だけでなく私自身も長いとは感じなかったし、
待っている間、気持ちは寄り添うことができていたと思っています。
コーチングを覚えたばかりの頃は、本当にこの沈黙タイムが苦手だったのに、
今ではいくらでも待てる気がします。
どうしてだろう???
良いことも振返って、成功パターンを導き出す。
そのために、今から自分でも「正しい」振り返りを行います。