有名大学病院の看護師に採用されたKさんは看護学校でも成績優秀で、Kさん自身も自分に自信を持っていました。
ようやく夢がかなっての看護師としての仕事にKさんは一生懸命取り組みます。
ある日、患者さんの身体を拭いている時、強すぎるのでもっと優しく拭いてほしいと言われました。
「これくらいの力の方が血行も良くなるし、決して強い力ではないですよ。」
Kさんは優しく患者さんに言いましたが、患者さんからKさん以外の担当に変えてほしいと言われてしまいました。
先輩から「あなたがどうかじゃなくて、患者さんの希望をもっとちゃんと聞いてね。」と注意されたKさんは、それは違うと反論しました。
「だって、そんなに強い力で拭いていないです。それに、体を拭くのは清潔にするだけじゃなくて、血行を良くしたり、痛むところを確認したり、意味があるはずです。撫でるような拭き方ではそれができません!」
学校で習ったことをしっかり行っただけなのに、なぜ、そんな言われ方をしなくてはいけないのか、Kさんは納得がいきませんでした。
その後、何人かの患者さんの担当につきますが、患者さんから担当替えを希望されたり、先輩から注意を受けたり、Kさん自身、納得のいかないことばかり。
「なんで、私がこんな思いをしなきゃいけないの?! 私は体を拭くために看護師になったんじゃない! もっとちゃんとした仕事を私にさせてほしい!」
Kさんの訴えに、先輩看護師は頭を抱えます。
「あなたは自分の主張ばかり。学校で習った理屈や理論も大切だけど、患者さんは人形じゃないんだから、気持ちに配慮しないとね。」
どうしてそんな言われ方をしないといけないのか全く理解できないKさんは、病院の職員のために設置されている「相談窓口」に訴えます。
「私、ハラスメントを受けています!」
驚いたのはKさんの先輩たちや病棟の責任者です。
相談窓口担当者からの話に、耳を疑いました。
「ハラスメントだなんて、現実に、患者さんが担当についてほしくないと言っているのが全てなのに、我を通すことばかりで、なぜ、私達が訴えられなきゃいけないのか、こっちの方が理解できないですよ‼‼‼」
困ってしまった相談窓口の担当者さん。
ほっとくわけにはいかず、どっちもどっちだと思いながらも、どうすればいいのか困り果ててしまい、インフィニティにご相談を頂きました。
病院での話ですが、一般企業でも普通にありそうな話です。
実際、私はKさんに近い考え方をしていた時期もあったし、Kさんの先輩のように振舞っていた時期もあるため、どちらの気持ちも、どちらの陥りがちな落とし穴もわかる気がします。
まあ、一言で言えば、マネジメントが全く機能していないわけなのですが・・・
あなたがKさんの病棟のマネージャーなら、Kさんに対してどのように関わりますか?
また、Kさんの先輩に対してはどうですか?
この続きは明日のブログに続きます♪