ご近所に住む一回り年上の女性Mさんを、
私はとてもとても尊敬しています。
それは、「人として」、本当に素晴らしい方だからです。
今日はとても風が強かったので、いろいろなモノが飛ばされていました。
ゴミや枯れ枝はもちろんのこと、
明日の朝回収されるリサイクルビン・缶を入れるカゴまで
通りの向こう側に転がっていました。
私 「あ、あんなとこまで転がっている・・・」
と心の中で思っただけでしたがMさんは違います。
「あらら、風が強かったからね。」
と言うや否や、カゴをひょいと抱えて定位置に戻し
パンパンと手をはたいて何事もなかったように歩き出します。
裏通りに並ぶ家の駐車場のアコーディオン式ドアが、
強風にあおられたのか、レールを外れて道の方に蛇腹が飛び出していました。
「あらら、狭いから、ほかの車が引っかかったら大変。」
と言いながら、外れたレールを戻し、そのお宅の車にもぶつからないよう
アコーディオンをきれいしてあげました。
Mさんはこれに限らず、いつも本当に、実にさりげなく
人としてご自分が正しいと思ったこと、必要と思ったことを
ご自身の損得など全く関係なく、
心のままに実行なさいます。
それはさながら、私には菩薩のようにさえ感じるのですが
Mさん曰く、
「え~、そんな大したことじゃないわよ。
なんかね、自分が『そうしたい』と思うだけで
ある意味、ワガママなのよ。
迷惑だと思う人、いるかもしれないしね。
けど、自分で決めてるの。
心に素直に従うって。
『しなきゃいけない』じゃなくて、『したい』に従うって。
その方が、気持ちいいでしょ。
それだけなのよね。」
なのです。
確かに、Mさんはいつも、ご自分で決めています。
誰に強制されるでもなく、通りに落ちているゴミを拾ったり
公園の落ち葉を掃き集めたり
小さな子供やお年寄りの手助けをしたり
マスクがなかなか手に入らない私のために自宅にあるからと50枚超も無償でプレゼントしてくださったり・・・。
彼女の決断の根拠は、どんな時も同じだそうです。
それは、「自分のWant」に従い、
「自分がご機嫌でいられる方」を選ぶのだそうです。
ロールモデルは有名上場企業の超スーパー社員とは限りません。
私の人としてのロールモデルのお一人に、Mさんは立派に君臨しています。
外出制限で行動範囲が狭まっている今、
「人間力を上げるチャンス!」と私は思っています。
それは、普段、どうしても仕事でのお付き合いが多くなってしまいますが、
そうではない方たちとの交流の中で、
改めて学ぶことが山ほどあるからです。
どんな場所でも、どんな時でも
学ぶべき人はここにも、そこにも、あそこにも
本当にたくさんいらっしゃいます。
こちらがその気で、人間ウォッチをすれば
実にたくさんの学びがあらゆるところに溢れているのです。
ロールモデルがいないんですよ!
なんて言っているそこのあなた。
よーく周りを見回してみてください。
きっとあなたのそばにも、素敵なロールモデルとなる人が
いらっしゃるに違いありません。