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休業前夜の企業様との熱いセッション

リアルからオンラインに切り替えて初めて実施する
某企業様のマネージャープログラム。
毎回、実施前に社長さん・役員お二人との経営ミーティングを行うのですが
冒頭いきなり、
「A社が休業を発表してね。
うちもこれからどうするか、急ピッチで考えないといけない。」
と社長がおっしゃいました。

A社とは、お客様の最大のクライント様。
どれだけ深刻な状況に置かれているのか、想像に難くありません。
「インフィニティへの御依頼も、しばらくお休みに入るのかな・・・」
PCのモニターに映し出されたお三方のお顔を見ながら、
そんなことが頭をふとよぎりました。

ところが次の瞬間、社長さんからは私の予想を裏切る言葉が発せられたのです。

「社員の気持ちが落ちないように、
こんな時こそマネージャー達に必要なコト、
尾藤さんからしっかりと伝えてやってよ。
難破船の船長がどうあるべきか、って感じかな。」

思わず身震いしました。

財政的にもかなり厳しい状況を迎えるに違いない、
それが確実に判明したにもかかわらず、
今もなお、私にマネージャー達のトレーニングを任せていただける。

胸に熱いものがこみ上げ、「はい」と返事をするのが精一杯でした。

その後のマネージャー達のセッション。
営業所全体も休業は免れ得ないと既に腹を決めた営業所長は
私の予想を裏切って冷静でした。

「A社の休業も、コロナのことも、『変えられないこと』だから、
自分たちが『変えられること』を考えるんですよね。」

この3カ月、私が口を酸っぱくして言い続けてきたことが、
今、彼らの中で核となり、
不安がないと言えばウソとなりますが、
それでも自然と前を向く力強い支えとなっていることが
すぐにわかりました。

その後のセッションはいつも以上に深いものになりました。
沈黙の時間もかなりありました。
それだけ彼らが真剣に考えている証拠であり
ほんの数か月前は「ちょっと、それでもマネージャーなの?」
と感じていた彼らが素晴らしく成長していることがわかりました。
追い詰められたこの状況においても、
決して暗くなることもなく、
「これまでの自分たちのマネジメントの失敗が今、わかったよね」
とか、
「よくよく考えたら、チャンスじゃんね。」
と前を向いている彼ら。

彼らの思考は「今」「自分で直接コントロールできること」に
完全に向いていました。


この厳しい環境下。
会社で一番の売り上げを担う営業所を預かる彼らのプレッシャーは
相当なものだと思います。
それだけに、これから休業体制に入るにおいて
社員の皆さんが感じる不安もたくさんあるでしょう。

私は営業所長・マネージャー達に言いました。

「みんなだって不安だし、迷うこともあるよね。
でも、今は非常時。
リーダーが不安を見せたら、下はもっと不安になる。

だから

役割を演じなさい!

弱音や泣き言は私がいくらでも引き受けるから。
メンバーの前では役割を演じきって!

オンラインでなかったら、
一人一人を抱きしめたいほどの思いに駆られました。

終了後、チャットメモを役員さんにお送りたところ
またまた涙腺崩壊しそうな返信をいただきました。

尾藤塾(なぜか、こう呼ばれているんです)が、
ちょうどA社が休業を公表した日にタイミングが合ってよかったです。
チャットワークもとてもとても中身があって

彼らの気持ちがよく伝わりました。
あと数か月、とくに苦しい時期が続くと思いますが、
こういうときはやはり気力が大切ですね。
わたしも明るく、はっきりと道筋を示して
周囲が安心できるように”演技”します!


私は単なる企業研修屋さんでも
コーチング屋さんでもコンサルティング屋さんでもありません。

こんな時にも大切な社員さんたちを任せてくださる経営トップがいらっしゃる。
時に毒舌、厳しい喝が飛ぶ私でも慕ってくれる受講者さんがいる。
その方たちのために、私は一体に何ができるのか。

こんな時だからこそ、「愛」と「勇気」と「元気」と「夢」を、
「笑顔」「喜び」「幸せ」を届けたい。
いえ、「届ける」というのはおこがましい表現で、
それらを感じていただけるよう(あくまでもその人が自分で感じる事で)
全身全霊で寄り添い、応援したい。

そう強く思いました。

リアルが無理だからオンラインで研修やコーチングすればいいんだよね。

そんな甘っちょろいことではないのです。
こんな時期でも信用してご依頼いただけるお客様がいらっしゃるのです。
その方たちのために、私は一体何ができるのか。

答えは一つではありません。
しかし、今回の経験を通して、
私は私の天から与えられた役割を一層強く認識し、
どんなことがあってもそれを全うしようと
更に心に深く誓ったのでした。

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