一度決めたことを覆したり、
方向性を変えたりすると、
「リーダーって、コロコロ変わるよね」
とか
「ちゃんと考えてから決めてほしいよね」
とか
「また変わった。ホント、嫌になるとか。」
など、メンバーの批判や陰口を気にしたり
中間管理職の立場であれば上司の目を気にして
かえって決断できなかったり、
または決断までにとても時間がかかったり
ということが起こりがちです。
ちなみに、私はすぐ決めます。
もうちょっと考えてからでもいいんじゃないの?
と傍が思うくらいにすぐ決めます。
そして、違う! ん??? こっちかも。
と思ったら、
「ごめん。方針変更!」
と謝り、その理由を説明します。
もちろん、いつでもなんでも変更するわけではありません。
それではいくら何でもメンバーはついてきてくれません。
第一、そんな危なっかしい判断しかできないようでは
マネージャー失格、リーダーとしてもダメダメです。
いわゆる「パターン」で判断がつくときには
決断も簡単だし方針変更をする必要もありません。
そうでないのは、未知の事。
これまで私も含めてみんなが初めて、前例がない、
想定外の事に直面した、どうしたらいいのこれ?
というような状態に陥った時です。
いつまでも判断しなければ前へ進めません。
ですから、たとえ見切りであったとしても、
致命的事象を引き起こさない限りは発車します。
そして、走りながら考えます。
これで大丈夫か。別の方法は本当にないのか。
もっとうまくいかせるためにはどうするか。
等を。
今、私たちは誰もが経験したことのない世の中の真っただ中にいます。
誰もが「初体験」中なのです。
リーダーもメンバーも誰もが初めて。
誰も「これが正解!」などとはわからないのです。
そんな中でも、リーダーは決める事!
決断をしなければいけません。
そして、もし、違ってたと思ったら、
理由を説明し、訂正し、新たなGO!をすれば良いのです。
そこで朝令暮改を恐れてズルズル進んだり、
逆に決められないなどということがあってはいけません。
そもそも、それを朝令暮改とは言わないのですから。
朝令暮改とは、芯がなくコロコロ変わることであり、
一本きちんと芯が通っていて、
例えば、「今、お客様にとって最善の方法は何か?」
など、そこに対しての方策が状況によって変わることは
当たり前の事であり、周囲の目を気にして方向転換できない方が
リーダーとして失格なのです。
テレワークやオンラインビジネスの急増により
急激に利用者が増えたZoomですが、
そのセキュリティの脆弱性を指摘され、
様々に騒ぎ立てられました。
そんな時、CEOの Eric Yuan氏は、
その時点でのセキュリティの問題を認め、
その後90日間は一切の開発を止め、
セキュリティ対策の強化に全ての力を注ぐと
発表したのは周知のとおりです。
ネガティブな事実をも素直に受け入れ、
その上で最善策を模索し、
きちんとわかりやすく説明し、
新たな方向性をしっかりと打ち出す。
これもまた、立派なリーダーシップに他ありません。
誰も正解を知らない時代。
誰も正解がわからない時代。
リーダーは朝令暮改を恐れてはいけません。
時々刻々と状況は変化し、また、
次から次へと新しい情報が入ってくる。
今日の正解は、明日の正解ではないかもしれない。
今日の間違いが明日の正解かもしれない。
完璧を目指すのではなく、
その時々で熟考し、最善を尽くし、
恰好が悪くても、陰口をたたかれても
芯を通して目指す方向へ、
しっかりとハンドルを切りましょう。