誰だって変わることができる

やっと弱音を吐くことができたマネージャー

いつも何かと言い訳が多いと感じていたマネージャーのSさん。
しかし、昨日は違いました。

社内で最も信頼して、また、頼りにしているメンバーから
「辞めたい」と話を聞かされたばかりということもあり、
かなり動揺していたこともあったと思います。

「自信がないんです」
「僕のコトを本気で慕ってくれているヤツ、誰もいないと思う・・・」
「プライド高いんです・・・」

ポツリポツリと本音を語りだすSさん。
その眼にはうっすら涙が浮かび、唇はわずかながら震えていました。

メンバーのことがよほどショックだったのか、
これまで偽りの彼を創り上げていた鎧が取れていくのが
私にははっきりとわかりました。

Sさんが心の底から絞り出すように語る、
自信がない、誰も慕ってくれない、プライドが高い
という言葉は、かつての私そのものです。
まるで、以前の私を目の前で見ているかのような気持ちになりました。

「あのね。」
と言って、私は、自分がガンダムスーツを着込んでいて、
変わろうと決めて、なかなか変われなくて、
プロコーチに匙を投げられて、
それでも必死でもがいて、何度も何度もトライして、
人の何倍も時間もかかったし失敗もしたけど、
今、とっても楽に生きているし、
変わりたいと願う人の気持ちも、上手くいかない時の歯がゆさも
きっと、誰よりもわかると自分では思っている。
というような話をSさんにしました。


「僕でも大丈夫でしょうか・・・」
すがるようにこちらを見上げるSさんの目には、涙と一緒に
かすかな希望が見えました。

「うん。絶対に大丈夫。
どんな人でも、いくつになっても、
変わりたいという思いと、ちょっとした自分に合うコツがわかれば
絶対に大丈夫!」

私がそう請け負うと、ようやくSさんは笑顔になりました。

「今日、今、この瞬間もそうですが、
ずっとしんどかったんです。
でも、『楽になれる』んだと思ったら、
今も、既に少し楽になりました。
さっきのこと、やってみます。」

人は絶対に変わることができる。
いえ、それは「変わる」のではなく、「成長」です。

私の目には、Sさんが今、固いさなぎから抜け出して、
なんとか外の世界に飛び出そうとしているアゲハ蝶のように感じました。

絶対に大丈夫! どんな人でも、いくつになっても大丈夫!
自分がそう強く望みさえすれば、
望む自分に誰だってなることができるのです。

新たなステージに踏み出すことを決めたSさん。
そんなSさんの応援ができることは私にとっても光栄なことです。
信頼してくれるSさん、
大切な社員を委ねてくださる経営者の皆さん。
心からの感謝と共に、Sさんにも、彼のチームにも、
絶対に笑顔の花を咲かせるんだ!
と新たに心に強く誓いました。

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