マネジメント・リーダーシップ

仔犬のしつけから学ぶマネジメント ~気持ちを理解する

仔犬に限らずペットと一緒に暮らしている人は皆そうだと思いますが
モノ言わぬ家族が「今、何を言いたいのか」「行動の意味は何なのか」
その意図を汲み取ろうと表情や雰囲気を一生懸命観察し
ペットちゃんの今の「気持ち」を理解しようと努めます。

我が家の7か月のゆうたくんの場合だと
例えば、私の足にまとわりついて来るのは
ただ甘えているのか、お散歩に行きたいと催促しているのか
ご飯はまだ? と聞いているのか
その時の状況と様子を見ながら総合的に判断します。

ですから、仮に「問題行動」をしたとしても頭ごなしに叱るのではなく
問題行動をした彼の気持ちを推測し、
そこから私が取るべき次の行動を選択します。
ゆうたは人間の言葉が話せないので、その代わりに色々な「行動」をします。
ですから、その行動の「意味」を必死に理解しようとするのです。
これは、赤ちゃんに対してのお母さんのそれと、ある意味同じですね。

ところが!

これが人間になると、自分の直接の部下となると
「やって当然」の考えが私の潜在意識にあるため
相手の気持ちにはお構いなしで理屈で攻め立てるのが
かつてのスーパーブラック時代の私でした。

仕事なんだからつべこべ言わずにやるのが当たり前!
と思っていたもので・・・

でも、人間にも、いえ、人間にこそ複雑な「気持ち」があるわけで
ゆうたの気持ちを察するように、
メンバーちゃんの気持ちも理解するように努力し始めたところ
彼らの私に対する態度がみるみる変わってきました。

昔から上司には「相手を理詰めで追い詰めるな。逃げ道を残しておいてやれ」
と言われていましたが、その意味を理解できていませんでした。
私のパーソナルコーチに「率直に、今の気持ちをメンバーに聞いてみて」
とアドバイスされ、その通りにやってみると
どんどん変化が起こったのです。

人間は言葉を話すが故に、その表面的なものに捕らわれてしまい
言葉の裏に隠された本当の意味、表情や声のトーン、
身振り手振りから読み取れる相手の感情などに
ついつい無頓着になってしまっていたのかもしれません。

しかも!
私の場合、相手がお客様の場合には
それは丁寧に、お客様の気持ちを必死で汲み取り、
そこに配慮しながら物事を進めることができるのに
相手がメンバーちゃんになった途端、
まるで相手はロボットのように動くのが当たり前かのごとく
彼らの気持ちにはお構いなしでした。

これではメンバーもたまったものではありません。

「仕事なんだからやるのは当たり前!」
もちろんそうなのですが、やるのは感情を持った人間。
Happyで前向きな気持ちで取り組むのと、いやいややるのとでは
結果は明らかに違います。
ごくごく当たり前のことなのに、ブラック時代にはそんなことにさえも気がつかず
ひたすら号令をかけまくる鬼軍曹でした。

今でもメンバーちゃんとのやり取りで、イラッとくることは
普通にたくさんあります。
でもそんな時にはゆうたのお顔を思い出し、
メンバーちゃんの「気持ちを理解する」努力をしています。

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