マネジメント・リーダーシップ戦略人事

1on1とコーチング。何が違う?何が同じ?

「1on 1とコーチング、どう違うのですか?」
「どんなふうに使い分けれは良いですか?」

こんな質問を時々いただきます。

「え?別物なの? 同じと思っていた。」

こんな風におっしゃる方もいらっしゃいます。

厳密に言えば、1on1とコーチングは「似て非なるもの」です。

この二つの「違い」と、現場で本当に役に立つ「使い分け」をきちんと理解できていることで、
あなたのマネジメントは、今よりももっとスムースに行うことができるはずです。

1on1は、おもに上司と部下との間で行われる「おしゃべり」です。
これを「面談」「ショートミーティング」と捉えてしまうと、
上司はどうしても「アドバイスしなきゃ」「質問しなきゃ」となってしまいます。
そうではなく、大げさに言ってしまえば、
「部下が話したいことを、ただ、『うん、うん、へー、そうなんだ』と聴いているだけ」
で良いのです。

1on1の究極の目的は、上司と部下の垣根を取っ払うこと、心理的安全性の確立、
それらをきっかけとした、部下の自己肯定感ややる気の上昇です。

「部下のためのおしゃべりタイム」ですから、上司主体ではなく、
部下のその時々の調子に合わせて聴く、促す、待つ、などを上司は行います。


コーチングの目的は、目標達成支援です。
その際、「こうすべき」「それは止めた方が良い」と指示命令するのではなく、
部下の気づきを促す質問を行いながら、部下が「自分で気づいた「自分で決めた」
と思えるように関わっていくのがコーチングです。

実際、ビジネスの場面においては、コーチングを行っている時に
アドバイスや指示をすることもあるでしょう。
しかし、「そればかり」になってはいけません。
あくまでも、「答えは彼/彼女の中にある」のであり、
上司が持っている答えが全てではない事を、上司は知っている必要があります。

1on1をしている中で、コーチングモードになることがあるでしょうし、
コーチングをしている中で、気持ちや行動の障害になっている事柄がある場合、
1on1モードに切り替わる場合もあるでしょう。

明確に、ここからがコーチングで、ここまでは1on1と切り分けることはできません。
しかしいずれの場合も大切なことは、「部下のための時間」であり、
上司はあくまでも「サポート役」ということです。

1on1やコーチングの時間を、評価やダメだしの場にするなどはもってのほかです。
ところが、「1on1の時に、注意しとかなきゃ」と誤った考えを持っているマネージャ―さんは
以外にも多いのです。

注意指導すべき時間と、それ以外の時間は明確に分けることで、
部下の、上司に対する信頼の混乱を避けることができます。

1on1もコーチングも、その本質は『部下のための時間』であり、
上司はあくまでも『サポート役』です。
この明確な線引きと柔軟な使い分けこそが、
部下の主体性を育み、信頼関係を深め、最終的には組織全体の成長へと繋がります。

対話の力で、組織はもっと強くなる。
そして、部下はもっと輝ける。
あなたが正しい対話の場を設計し、運用できるようになることで、その未来は確実に近づきます。

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