部下の本音が分からない。
話しはしてくれているけど、真意かどうかがわからない。
関係性の良し悪しに関わらず、部下の本音が分からずモヤモヤしている、対応に悩む
という上司は多いと思います。
課長との関係性にやり辛さを覚えているのではと危惧した部長が
「何か困ってることはないか?」
と質問しても、
「ありません。大丈夫です。」
と答えたので自分の心配し過ぎだと思っていたが、
数か月後に退職届が出てきて、遺留も間に合わずとても残念だった。
こんな事例もよく聞きます。
「いじめられてるの?」
と学校の先生がストレートに聞いて、
「うん。〇〇ちゃんにいじめられて困っている」
と答える生徒の方が少ないです。
なぜなら、後々の仕返しが怖いから。
部長に「困っています」と正直に伝えて、後で
「お前、部長になんであんなこと言ったんだよ。」
と詰められることを思ったら、
心配してくれている部長にも本音をさらけ出すことはやめておこう。
部下の立場からすれば、こんな風に思うのも無理がありません。
では、「本音」を知るにはどうすれば良いのでしょうか。
それは、「ストレートに聞かない事」です。
「困っていることある?」「いじめられてる?」
は直球ド真ん中です。
そうではなく、ゆっくり、じんわり、ほぐしていくイメージで
質問をしていきましょう。
最近どう?
それって、どういうこと?
それについて、課長にはどんなふうに報告(相談)してる?
課長からどんなアドバイスもらったの?
もっと結果を出すために、どんなサポートが私にできる?
関係性が良い上司部下なら当然行っているだろう言動が、
既に行われているものと前提して質問していきます。
「課長は忙しそうだったのでまだです。」
「僕だけの力で頑張ろうと思ったので相談していません。」
などの答えが返ってくるかもしれません。
しかし、関係性が良好な上司部下であれば、
報告や連絡は、隙間時間でできているのではないでしょうか。
却って上司をかばうような言葉が出てきたり、
自分が悪いんだという表現が出てきた場合は要注意です。
また、「サポート必要?」ではなく「サポートさせてほしい」と
こちらがお願いする形での聞き方をします。
これらはストレートな質問では伺い知ることはできません。
凝り固まった筋肉をゆっくりじわじわほぐしていくように、
周辺質問からやんわりと聞いていく事が大切です。
もちろん、そこに心理的安全性が担保できていなければ
部下は本音をさらけ出すことは決してしません。
しかし、評価のためではなく、本心で部下の事を思っている
というあなたの気持ちが言葉や表情、態度から伝われば
「この人には本音を話してみるのもいいかもしれない」
と必ず思ってくれるはずです。
部下の本音を知るには、ストレートに聞かない事です。
部下を心から思うあなたの気持ちが
優しく、ゆっくり、じわじわと相手に伝わるように
言葉を重ねていきましょう。
当然、あなた都合で本音を知りたいと思っていたら、
部下にそれは自然と伝わり、閉ざされた心が開くことは決してありません。