「できるメンバー」や「結果を出せるメンバー」がいると
何もしなくてお任せ状態でも彼らは勝手にゴールに向かってくれるのですから
マネージャーとしては実にありがたい限りです。
しかし、できるメンバーや結果を出せるメンバーが、逆境に強いとは限りません。
決してスーパーマンタイプではないけれど、
「どんな状況でも、いついかなる時においても前を向けるメンバー」の存在は、
チームが壁にぶつかった時、迷路に落ち込んだ時、
とても心強く、チームの勇気・起爆剤となり得ます。
「結果」は時の運に左右されます。
勝利目前の状態であっても最後の瞬間に抗えないコトが起こり、
ゴールにたどり着けないことは起こりえます。
予測不能なVUCA時代(※)の現代においてはなおさらです。
「できる」ということは知恵や知識、スキルがあり、
それらを上手く使える術を知っているという事。
それが「結果を出せる」ということに繋がります。
しかし、どんなに「できる」人でも、必ず「結果を出せる」かは別問題です。
自分にとって逆境の時であっても「必ず前を向いていられるか」が大切です。
マネージャーは「できるメンバー」を育てることだけに意識を向けがちですが、
「逆境においても前を向けるメンバー」を育てることにも心を配りたいものです。
そのためには何が必要か。
メンバー一人一人の個性を見極め、彼等が目指したい将来を共に見据え、
深い愛情と忍耐で彼らの成長を温かく見守っていく覚悟をマネージャー自身が持つことです。
メンバーの心に常に寄り添うことです。
メンバーを預かるということは、そのメンバーの人生をも一緒に背負う、
それくらいの覚悟をマネージャーは持ってほしいと思います。
深い愛情と忍耐で自分を常に厳しくも温かく見守ってくれている人がいると分かれば、
例え、一時的に目標を見失ったとしても、
そのメンバーは、必ず、再び前を向いて進むことができるはずです。
どんな状況でも、いついかなる時においても前を向ける「逆境を生き抜く力(レジリエンス力」は、
メンバーのもともと兼ね備えた力・資質よりも、
マネージャーのあり方、振舞い次第でメンバーが身につけることは可能です。
そのためには、マネージャー自身が
人としての鍛錬を積み重ね、人間成長の努力を怠らないことは言うまでもありません。
※「VUCA(ブーカ)」とは、
Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の
頭文字をつなぎ合わせた言葉です。
これら四つの要因により、現在の社会経済環境が極めて予測困難な状況に直面しているという時代認識を表します。
(日本の人事部より)