人間力

メンバーが勝手に育つリーダー、育たないリーダーの決定的な差

素晴らしい結果を出している人。
お客様から大きな信頼を得ている人。
「あいつはデキル」と誰からも一目置かれる人。

こんな素晴らしい人の傍で仕事をすれば、メンバーが育つ。
多くの管理職がそう考えるかもしれません。
しかし、それとこれとは全く別の話です。

実際には、ものすごく育つ場合もあれば、全く育たない場合もあります。
この差は、実力の差だけでは説明できません。

決定的な違いを生むのは何でしょうか。

決定的な要因は「ファンかどうか」

その決定的な要因は、「メンバーがその人のファンになっているかどうか」です。

仕事は圧倒的にできるかもしれない。
けれど、いつもイライラした雰囲気で余裕がない働き方には憧れない。
あるいは、人として好感が持てない。

もしメンバーがこんな風に感じている可能性があるとしたら、どんなにデキル人の傍にいたとしても、「真似をして追いつきたい」とは思わないでしょう。

メンバーは、仕事力だけを見ているわけではありません。
仕事力と人格をセットで、リーダーを見ているのです。

ファンになるリーダーとは

では逆に、メンバーがファンになるリーダーとはどんな人でしょうか。

教え方がわかりやすい人。
メリハリのある働き方をしている人。
どんなときも落ち着いている人。
人として好感が持てる人。
「こんな働き方をしたい」と思わせる人。

こんな人なら、メンバーは憧れや尊敬を抱きます。
「自分もそんな風になりたいな」
「少しでも追いつきたいな」

そう思うことでしょう。

サッカー少年が「うちのコーチ、すごいカッコいいんだ」と思ったら、一生懸命練習に励むでしょう。
でも「コーチみたいには絶対になりたくない」と思ったら、コーチとの練習は苦痛そのものです。
教えも耳に入らないでしょう。
好きなコーチがいるクラブに移ってしまうかもしれません。

しかし、ビジネスの現場では、基本的に、メンバーは上司を選べません。
一方、転職理由の最上位に挙げられるのは、「上司がイヤ」です。

だからこそ、選ばれる存在になる努力が求められるのです。

育たない理由は、メンバーではなくあなた

会社でマネージャーになりたくない人が多いのは、その会社のマネージャーに魅力がないからです。
同じように、あなたのチームでメンバーが育たないとしたら、それはあなたが魅力的ではない、メンバーがあなたのファンでないからかもしれません。
受け入れがたい事ですが、これについては、私は強い確信を持っています。

かくいう私も、メンバーが全く育たなかった時代がありました。
振り返ってみると、みんな、私のことが大嫌いでした。
そんなことにも気づかずに、一生懸命にみんなのお尻を叩き、育たないメンバーが悪いと他責モードに陥っていたのです。

今思えば、恥ずかしい限りです。

育成とは、自分自身を磨き続けること

「リーダーに求められるのは人格である」とドラッカーは述べています。

それは、「マネジメントとは人間力である」とも言い換えられます。

メンバーを育てたいなら、自分自身を磨きましょう。
メンバーにあなたのファンになってもらえるよう、仕事力、人間力の両方を磨きましょう。

メンバーがあなたに憧れたなら。
あなたみたいになりたい、あなたに追いつきたい、あなたみたいな働き方をしたい、あなたみたいな人生を送りたい、と思ったなら。
放っておいてもあなたから多くを盗み、見習い、勝手に育っていきます。

メンバー育成とは、スキル伝達ではありません。
リーダー自身が人としての魅力を上げることです。

今のあなたは、メンバーにとって憧れの存在でしょうか。
変わるべきは、、メンバーではなく、リーダー自身かもしれません。

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