マネジメント・リーダーシップ

マネージャーが間違える技術的問題と適応を要する問題

「なかなか営業成績が伸びないんだよね」
「お客様からのクレームが多くって」
「入力ミスや報告漏れが散見されるんだよな」
「他部署といつも揉め事起こしてばかりだ」
「会議でなかなか意見が出てこない。いつも発言するのは同じ人ばかりだ」
「何回言ってもチームスローガンが浸透しないな」

マネージャーには頭を悩ます問題がいつも山盛りです。

例えば「営業成績が伸びないメンバー」には、
目に見えている具体的事象としては以下の事柄があったとします。

・営業成績がこの半年伸びない
・訪問件数、営業時間は計画通り行っている
・同じお客様ばかりに訪問している
・失注が続いている
・残業が増えている
・元気がない
・チームの他のメンバーとの会話が減った
・会議での発言が減った

こんな時、あなたならどんな風に対応しますか?
ここでありがちなマネージャーの失敗。
それは、本当は適応を要する問題であるにも関わらず、
技術的問題のように取り扱ってしまうことです。

技術的問題とは、この場合で言えば、
業務知識不足、プレゼン技術が未熟、訪問件数が足りない、
営業計画が不十分などが考えられます。
もちろん営業成績を伸ばすためには技術的向上は必要です。
しかし、問題の本質が技術的問題ではなく、
適応を要する問題であったならどうでしょうか?

適応を要する問題とはすなわち、
「問題が何なのか?」が一見するとわかりづらい、
つまり、目に見えていない(見えづらい)ことに
その原因がある場合を言います。

例えばこの場合で言うと、
・年度目標達成を諦めている
・転職してきた新メンバーの活躍に自分はダメだと落ち込んでいる
・働き方改革の新たな取り組みに納得できていない
・営業ではなくマーケティングの仕事に興味が向いてきた
・同期と激しく揉めてしまい、それ以来、孤立感が拭えない
・家族に病人が出てしまい、気になって仕事に集中できない

メンバーの心の中、感じている事柄に真因が潜んでいる場合、
マネージャーが直接どうこう出来るわけがありません。
しかしだからこそ、そういうメンバーに技術的問題のように課題解決を促しても
全く無意味なのです。

第一に、「現状は決してハッピーではない=問題である」ということを
メンバーにしっかりと認識してもらいましょう。
次に、「本当の問題は何なのか?」と、
メンバーが問題から逃げずにしっかりと向き合ってもらうことです。
問題に向き合うためには、価値観や信念、役割、関係性、マインドセットなど、
様々な事柄を見つめる必要があります。
一人では難しい場合も多くあるため、
マネージャーが、メンバーと「対話」をしっかりと行うことが大切です。

仕事がデキるマネージャーほど、
自分の心を自分で上手くコントロールする術を身に着けているため、
メンバーの適応を要する問題に対して気がつかず、
あたかも技術的問題のように扱ってしまいがちです。
しかし、それはの最大の失敗であるということを肝に銘じておきましょう。

メンバー又はチームに関して、今、あなたが抱えている問題は何ですか?
それは技術的問題ですか?
それとも適応を要する問題ですか?

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