立派な理念や方針はあるのに、なかなか社員に浸透しない。
よく聞くお話です。
理念や方針がどんなに立派であっても、
そこに日常の具体性が示されなければ、
多くの人は、行動に移すことが難しいのです。
維新の立役者 西郷隆盛が沖永良部島へ幽閉されていた時、
そこへ訪ねてきた子供とこんな話をしたそうです。
西郷 「家族が円満にいく方法は何だと思う?」
子ども「五倫五常(儒教の教えで人としての5つの道徳)を守ることです。」
西郷 「それでは看板倒れになる!
美味しい食べ物があれば家族に食べさせたいと譲る。
いい着物があれば兄にあげようと思う。
家族が互いにそうするようになれば家族は円満になる。」
お題目を唱えるような抽象的な言葉ではなく、
より具体的な行動として考えよ!
と西郷は説いたのです。
例えば、「仕事は自ら楽しむ!」という方針があったとします。
何となくわかるようなわからないような。
自ら楽しむと言われても、
それが具体的にどういう行動、思考、言葉になるのかがイメージできなければ
「自ら楽しむ」が実行されることは難しいです。
ですから、自分たちの日常業務に照らし合わせて
じっくりと考え、「自ら楽しむ」とは
具体的にどういう思考や言動になっていれば良いのかを
イメージすることから始めなければいけません。
理念や方針に限らず、
事業計画や日常の目標でも同じです。
「具体的かどうか」
これはとても大きなポイントです。
立派なお題目があるのにうまくいかないという場合、
99.9%は具体性に欠けているといっても良いでしょう。
具体的であって初めて行動に移せるのです。
理念や方針、事計や目標がなかなかうまく運ばないというあなた。
そこに具体性はありますか?