人間力

古希をとうに過ぎても人は大きく変わる

周囲に対して何かと口やかましく、
「お局様」「〇〇おばさん」と煙たがられていたAさん。
たまに顔を合わせる私に対しても、その多くは攻撃的でした。

しかしいつの頃からか、
「尾藤さん、ちょっと相談させていただいても良いですか?」
「尾藤さんに聴いてほしかったんです。」
とおっしゃっていただけるようになりました。

私としてはその変化に戸惑ったものの、
嫌悪感を露わにされるよりも、大切なお客様の社員さんなので
友好な関係でいたいのは当然であり、
その変化をありがたく受け取っていました。

昨日、そのAさんからお手紙をいただきました。

「〇〇できていない。」「〇〇しないとだめでしょう。」
とみんなに注意することで自分の存在を確保しようとしていました。
皆から煙たがられていることは知っていたけど、
どうしようもありませんでした。
以前、尾藤さんにも嫌味っぽく指摘した時、
「教えてくれてありがとうございます」と言ってもらい、
私の中で何かが壊れました。
口うるさく言われて嬉しい人はいません。
それよりも、「ありがとう」と言われる方がはるかに嬉しい。
「ありがとう」は人を動かす力があるのだと思いました。
いつも私がガミガミと注意していた新入社員のKさんですが、
今日はきちんとできていたので、「ありがとう」とKさんに伝えました。
Kさんはびっくりした顔をしていましたが、
私は「ありがとう」を言うことができて、
自分の気持ちが穏やかになり、言った私も嬉しくなりました。

Aさんは随分前に定年を迎えて、今は嘱託で働いている、
既に古希を過ぎた女性です。

「北風と太陽」の話を覚えていますか?
北風は外的コントロールで無理やり相手を変えようとしますが、
太陽は内的コントロールを促すために、温かく見守ります。

Aさんの存在を受け入れ、彼女を温かく見守り続けた周囲の温かな心が
Aさんのかたくなになっていた心を開かせたのかもしれません。

人はいくつになっても、進化することが可能です。
あなたが大切な仲間の進化を応援する時、
北風になりますか?
それとも太陽になりますか?

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