A「ありたい姿を話し合った後、中計戦略を練る」
B「中計戦略に基づいて、ありたい姿を話し合う」
あなたの会社がAのスタンスであれば、
ビジョンを自分たちで描き、そこにたどり着くためにどんな方法を取るか、
WillやWantをベースに考えることを推進しています。
あなたの会社がBのスタンスであれば、
取るべき戦略と中間ゴールは既に定められており、
それらに取り組むことでどんな自分・自社を目指すのか、
MustやShoudwoベースに、ジブンゴトを意味づけることを推進しています。
しかし実際のところ、
長期ビジョンや中計戦略を作成するのは会社のごく一部分の人たちであり、
多くの人たちは実行部隊です。
そう考えると、Bの方法が日常になっている会社の方が多いかもしれません。
この場合、戦略やそこにたどり着くシナリオプランばかりを先行して考えると、
義務や責任(Must・Should)ばかりにとらわれて、
全くワクワクした「ぜひとも取り組みたいこと」にはなりません。
既に戦略が会社によって決められているとしても、
一旦、それは横において置き、
自分たちのWillやWant、Wishを考えてみるのが良いでしょう。
そして、それらのWill・Want・Wishの実現のために、
決められた戦略&目標はどのような価値があるかを
意味づけるのです。
中計、戦略などと言うと大事になって、
意味づけを考えるのは難しいかもしれません。
しかし、以下の例ではわかりやすいでしょう。
全く興味のない外部研修に、
業務命令で3日間参加しなければならなくなった(戦略)。
↓
研修修了にはレポート5枚の報告書を書かなければならない(目標)。
↓
3年後には経営企画部門で全社イノベーション推進責任者となり
業界再編につながる先進的事業に取り組む仕事をしたい。(自分のWish)
↓
3日間も留守にするのだから、不在時対応をきっかけに、
後輩に業務引継ぎの準備をしよう。(意味づ。け1)
社外交流が忙しくてできなかったので、せっかくのチャンスだから
人脈を広げる努力をしてみよう。(意味づけ2)
論理的思考がイマイチ弱いから、レポート作成で
自分の思考力をブラッシュアップしてみよう。(意味づけ3)
将来のキャリアビジョン(Wii,Want,Wish)に意味づけることで、
意味のない研修を、意味ある研修に置き換えることができます。
Wii,Want,Wishが明確にわかっていて初めて
意味づけることができるのです。
中計や戦略を発表しても、
ジブンゴトとして受け入れられない。
やらされ感ばかりで社員の取組姿勢に熱意が感じられない。
このような場合は、
Bパターンで物事が進められており、かつ、
意味づけ力が不十分であるために生じている可能性が大です。
組織人である以上、
殆どの場合、大きな計画や戦略は天から降ってくるものです。
それをやり遂げるためには、推進力とか実行力とか、
そういったもの以前に、意味づけ力が必要であることを
決して忘れてはいけません。