マネジメント・リーダーシップ組織開発

「貢献」を間違って使っている管理職はとても多い

若い人たちがよく口にする「貢献」という言葉。私世代をはじめとする管理職の方たちは、もしかしたら若者とは違う意味合いに捉えているかもしれません。

貢献とは「ある物事や社会のために、力をつくし役にたつこと(広辞苑より」です。ところが管理職の中には、「貢献=業績に繋がる結果(成果)を出すこと」と捉えている人が多く見られます。
これでは若手や転職してきたばかりの人、縁の下の力持ち的役割や補助的役割の人などはたまったものではありません。
何しろ、業績に繋がることとみなされなければ「貢献度ゼロ」と評価されかねません。やる気をなくすのは勿論のこと、自分の存在価値をどこに見出せば良いか、途方に暮れてしまうかもしれません。

オフィスをきれいに掃除してくれる。会議中、誰も手を挙げて発表しない中、いつも率先して意見を言ってくれる。気まずい雰囲気になりかけた時、場を和らげる発言や行動をしてくれる。毎朝元気に挨拶をして職場を活気づけてくれる。悩んでいる後輩の相談に親身に乗ってくれる。誰も引き受けたがらないクラウドのファイル整理や書類の分類を進んで行ってくれる。
どれもこれも立派な貢献です。チームのために、組織のために、その人の力を尽くして役に立っているではないですか。

それぞれ持っている力の種類や大きさによって貢献の中身は変わってきます。チーム目標に直接的貢献ができる人、チームの雰囲気・環境づくりが得意な人、人に関心が向きフォローが上手な人、他部署との連携が得意な人、ITスキルに長けている人、情報通な人、豊かな人脈を持っている人。それぞれがその強みを活かして貢献し、どんな貢献をも互いに認め合うことができれば、そこはまさに自分の居場所であり、自分たちの大切な場所になるのです。

「今期、彼はチームに貢献できていないから」と業績結果だけを見て今まで話をしていたのなら、これからは業績以外のところもしっかりと見つめ、幅広い観点での貢献度合いをフィードバックしてほしいものです。

当たり前のことを当たり前にしてくれていることもまた、立派な貢献です。そういう地道な仕事をしてくれる人たちがいて初めて組織は成り立っています。
業績ばかりに意識が向きがちな管理職は、特に意識して「貢献」の意味を自分自身の中で正しくインストールし直したいものです。

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