今でこそ、
部長さん、課長さんたちのお悩みに寄り添い、
経営者や役員の方達に、管理職育成のノウハウをご指南させていただいていますが、
実は私、ものすごいパワハラ上司でした。
しかも、質の悪いことに、無自覚タイプのパワハラ。
一生懸命、指導、教育しているつもりで、どんどんエスカレートして、
メンバーはどんどん疲弊して・・・。
という最悪のパターン。
ある日、メンバーからの激しい反乱にあいました。
皆、たまりかねて結集した感じ。
煙たがられていたことはわかっていても、
自分を正当化する理由はいくらでもあって、
(というか、身勝手に正当化していただけ💦)
見たくない事実は見ないようにしていました。
けれど大きな抵抗にあい、
おまけに、それまで何も言わなかった上司(経営者)から、
「お前はクビ」と突然言われ、
嫌でも事実を受け止めざるを得なくなりました。
暫くは落ち込んでみたものの、
確かに反省すべき点はあったのかもと思い、
「良い上司に変わる!」と心から誓って新たな職場で再出発を切りました。
でも現実はそう甘くはありません。
変わりたくても簡単には変われない・・・
沁みついた考え方や習慣が、考えるよりも先に出てしまい、
本当に変われない、ダメダメな時間が随分長く続きました。
「いい加減、学習しろよ!」と次の職場の経営者に言われたり。
「あなたは難しいわ」とパーソナルコーチに匙を投げられたり。
人は変われると言うけれど、そんなのやっぱり綺麗ごとだ!
『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャンに私はなれないのだと
地球の裏側まで落ち込んでも足りないくらいに
落ち込みました。
でも、このままで終わるのは悔しい。
こんな自分は嫌だ。
そう思って、ひたすら考えて、考えて、考えて、
そして、わかったのです。
不適切な行動をやめて、適切な行動をしようと、
そればかり考えるから失敗するんだ!
そうではなく、
不適切な行動を私にさせる、その本当の理由(犯人)が分かれば、
不適切な行動を封じ込めることができる!
喫煙が不適切な行動だとしたら(愛煙家の皆さん、ごめんなさい)
禁煙という適切な行動をしようとするのではなく、
まず、喫煙行動にあなたを導く犯人を見極め、
その犯人に適した対策を講じる。
といった具合です。
私にパワハラまがいの不適切行為を取らせる犯人は、
「もっと認められたい」
「自分で自分を認めたい」
という、自己承認の低さでした。
さかのぼれば幼少期の頃にまで行くのですが、
私の潜在意識の中でこれらがずっと尾を引き、
立派な大人になり、それなりのポジションになってからも
パワハラという不適切行動となって表れていたのです。
犯人が分かれば、あとはこっちのものです。
自己承認を高めることで、
パワハラになりうる不適切行動は自然と影を潜め、
意識せずとも自然に適切行動が取れるようになりました。
行動変容が上手くいかず悩んでいるクライアントさんには、
クライアントさんに不適切行動を取らせている犯人を一緒に探します。
そう!
行動変容ができないのは、あなたが悪いのではなく、
あなたにそうさせない、犯人がいるのです!
その犯人を突き止め、適切な対応を取れば、
自然と行動変容に結び付く。
犯人を見つけて適切に対処したことで、
望む自分に近づいたクライアントさんの笑顔を見ると、
私の暗黒時代は、このためにあったのだと心から思います。
物事がうまくいかない時、
誰だって、良い方法に飛びつきたくなるのは当たり前。
でも、沁みついた考え方や習慣、思い込みがある時、
また、自分でも気づいていない潜在意識に原因が潜んでいる時、
右から左に単純に行動を変えてもなかなかうまく行きません。
そんな時は、是非、考えてみてほしいのです。
この行動を私にさせる犯人は何?
これさえわかれば、
誰だって、いくつであっても、
変わろうと思えば変わることができるし、
なりたい自分になることができるのです。